【2025年】スナック菓子の出荷データを読み解く|数量は横ばい、金額は4,147億円へ

スーパーやコンビニのお菓子売り場で、値段の上がり方が気になった経験はないでしょうか。業界団体が公表している統計にも、その実感と重なる動きが表れています。
日本スナック・シリアルフーズ協会の「スナック菓子の年別出荷数量及び金額」には、2004年から2025年までの出荷実績が区分ごとにまとめられています。この記事では、その数値をもとに、スナック菓子市場がどの方向へ動いているのかを整理しました。
この記事で読み解く資料
- スナック菓子の年別出荷数量及び金額日本スナック・シリアルフーズ協会
- 国内産ポテトチップス用ばれいしょ品種別使用量日本スナック・シリアルフーズ協会
スナック菓子の出荷データの基本情報
この記事で読み解く資料
- スナック菓子の年別出荷数量及び金額日本スナック・シリアルフーズ協会
- 国内産ポテトチップス用ばれいしょ品種別使用量日本スナック・シリアルフーズ協会
データの発表元と対象範囲
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発表元 | 日本スナック・シリアルフーズ協会 |
| 資料名 | スナック菓子の年別出荷数量及び金額(会員合計) |
| 収録期間 | 2004年〜2025年 |
| 集計対象 | 協会会員企業の出荷実績 |
| 単位 | 数量=トン、金額=億円 |
この資料は、日本スナック・シリアルフーズ協会に加盟するメーカーの出荷実績を合計したものです。区分は「ポテトチップス」「ファブリケートポテト(成型)」「コーン系スナック」「小麦系スナック」「その他スナック」の5つに分かれ、それぞれに数量と金額が並んでいます。
全日本菓子協会の統計とは数字が異なります
スナック菓子については、全日本菓子協会も「菓子の生産数量・生産金額等(推定)」のなかで数値を公表しています。集計する団体も対象の取り方も違うため、同じ2025年でも数字は一致しません。
| 項目 | 日本スナック・シリアルフーズ協会 | 全日本菓子協会 |
|---|---|---|
| 2025年の数量 | 27万1,033トン(出荷数量) | 28万9,359トン(生産数量) |
| 2025年の金額 | 4,147億円(出荷金額) | 生産4,272億円/小売6,042億円 |
どちらかが誤っているわけではありません。引用する際は、どちらの団体のどの指標なのかを添えておくと誤解を避けられます。菓子全体の動きについては2025年のお菓子市場を統計で読み解く記事をあわせてご覧ください。
この記事が2015年以降を扱う理由
資料には「会員異動のため、2015年以降の数値は、2014年以前の数値と接続しない」という注記が添えられています。2004年からの数字が並んでいても、途中でものさしが変わっているわけです。
そこでこの記事では、2015年以降の11年分を中心に扱います。長期の傾向をつかむには十分な期間ではないでしょうか。ほかの読み取り上の前提は、記事の最後にまとめました。
統計に出てくる用語の意味
区分名とその意味
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| ポテトチップス | じゃがいもを切って加工したスナックをまとめた区分 |
| └ スライス | 薄い円形に切って揚げたタイプ |
| └ シューストリング | 細い棒状に切って揚げたタイプ |
| ファブリケートポテト(成型) | じゃがいもをフレーク状に加工し、生地にして成型したタイプ |
| └ スライス | 成型した生地を薄い形に仕上げたタイプ |
| コーン系スナック | とうもろこしを主な原料とするスナック |
| └ コーンパフ | 生地を膨らませ、軽い食感に仕上げたタイプ |
| 小麦系スナック | 小麦を主な原料とするスナック |
| 出荷数量・出荷金額 | メーカーが商品を出荷した段階の重さと金額 |
区分名には、ふだんの買い物ではあまり耳にしない言葉が並びます。先に意味を押さえておくと、このあとの数字の動きがつかみやすくなるでしょう。
気をつけたいのが「スライス」という言葉です。原本ではポテトチップスとファブリケートポテトの両方に同じ名前の内訳が置かれており、指しているものが違います。前者は生のじゃがいもを切ったもの、後者は成型した生地を薄く仕上げたものと読むのが自然でしょう。
なお、日本スナック・シリアルフーズ協会の資料に内訳ごとの定義は記載されていません。上の説明は、協会がサイトで示しているスナックフーズの分類の考え方と、それぞれの言葉が本来もつ意味にもとづくものです。
シューストリングはどんなタイプか
シューストリング(shoestring)は、英語で靴ひもを意味する言葉です。靴ひものように細く切ったじゃがいもを揚げたタイプを指し、薄い円形のスライスとは食感の印象も変わってきます。
身近な例としては、カルビーが「皮つきじゃがいもスティック」と説明するJagabee(じゃがビー)のような棒状のポテトスナックを思い浮かべると分かりやすいのではないでしょうか。ただし、統計上どの商品がどの内訳に入るかまでは公表されていません。あくまでイメージとして捉えてください。
ファブリケートポテトはどんなタイプか
ファブリケート(fabricate)には、英語で「加工する」「組み立てる」という意味があります。日本語では「成型ポテト」と呼ばれ、じゃがいもをいったんフレーク状に加工し、生地にしてから型で成型する製法を指します。
日本で最初の成型ポテトとされるのが、1976年発売の「チップスター」です。ヤマザキビスケットの公式サイトにも「1976年に国内初の成型ポテトとして発売」と記されています。
生地を型で成型するため、1枚ごとの形と厚さがそろうのが成型ポテトの特徴。筒状の容器へ隙間なく重ねられる形状は、この製法によるものといえるでしょう。ただし、どの商品にどんな配合が使われているかまでは公表されていません。
コーンパフはどんなタイプか
パフ(puff)は「ふくらむ」を表す言葉です。協会は、焼き上げるときに空気を入れることで独特の食感が生まれるものを「パフ」として説明しています。とうもろこしの生地を膨らませたコーンパフは、噛んだ瞬間に軽く崩れる口当たりが持ち味といえるでしょう。
2025年のスナック菓子出荷の全体像
数量はほぼ横ばい、金額は前年比5.0%増

| 年 | 出荷数量(トン) | 前年比 | 出荷金額(億円) | 前年比 |
|---|---|---|---|---|
| 2015年 | 241,875 | ― | 2,833 | ― |
| 2016年 | 240,926 | 99.6% | 2,808 | 99.1% |
| 2017年 | 244,480 | 101.5% | 2,852 | 101.6% |
| 2018年 | 251,811 | 103.0% | 2,886 | 101.2% |
| 2019年 | 253,852 | 100.8% | 2,957 | 102.5% |
| 2020年 | 257,369 | 101.4% | 3,009 | 101.8% |
| 2021年 | 263,794 | 102.5% | 3,115 | 103.5% |
| 2022年 | 260,496 | 98.7% | 3,227 | 103.6% |
| 2023年 | 267,834 | 102.8% | 3,677 | 113.9% |
| 2024年 | 270,729 | 101.1% | 3,950 | 107.4% |
| 2025年 | 271,033 | 100.1% | 4,147 | 105.0% |
2025年の出荷数量は271,033トンで、前年からの伸びはわずか0.1%。一方の出荷金額は4,147億円となり、5.0%増えました。数量がほぼ止まるなかで、金額だけが伸びた形です。
金額は2017年から9年続けて増えています
金額の推移をたどると、2016年に前年を下回ったあと、2017年から2025年まで9年連続で増加しています。この間に2,852億円から4,147億円へと、およそ1.45倍に拡大しました。
4,000億円台に乗ったのは2025年が初めてです。
数量の伸びは近年ゆるやかになっています
数量のほうは、2018年に3.0%増、2021年に2.5%増、2023年に2.8%増と、まとまって伸びた年があります。その一方で、2016年と2022年は前年を下回りました。直近の2024年は1.1%増、2025年は0.1%増と、増加幅が年々小さくなっています。
10年間で見れば241,875トンから271,033トンへと12.1%増えました。ただし足元の伸びは、ほぼ止まりかけています。
カテゴリー別に見た2025年の動き
区分ごとの数量と金額
| 区分 | 出荷数量(トン) | 数量前年比 | 出荷金額(億円) | 金額前年比 |
|---|---|---|---|---|
| ポテトチップス | 143,790 | 99.1% | 2,302 | 101.4% |
| ファブリケートポテト(成型) | 37,704 | 106.1% | 551 | 108.3% |
| コーン系スナック | 45,958 | 99.2% | 627 | 107.0% |
| 小麦系スナック | 36,147 | 101.5% | 506 | 104.8% |
| その他スナック | 7,434 | 91.3% | 161 | 159.4% |
| 総計 | 271,033 | 100.1% | 4,147 | 105.0% |
5区分のうち、数量が前年を上回ったのはファブリケートポテトと小麦系スナックの2つだけでした。それでも金額はすべての区分で増えています。
ポテトチップスの動き
- 2025年の出荷数量:143,790トン(前年比99.1%)
- 2025年の出荷金額:2,302億円(前年比101.4%)
- 2015年からの数量変化:+9.6%
ポテトチップスの区分は、数量ベースで全体の53.1%を占めています。市場の半分以上を担う存在といえるでしょう。
数量は2023年の146,837トンがこの11年で最も多く、そこから2年続けて減りました。それでも金額は増えているため、1kgあたりの金額が上がって区分全体を支えている姿が読み取れます。
内訳ごとの数量と金額
| 内訳 | 出荷数量(トン) | 数量前年比 | 出荷金額(億円) | 金額前年比 |
|---|---|---|---|---|
| スライス | 97,484 | 98.5% | 1,403 | 102.8% |
| シューストリング | 5,664 | 102.7% | 88 | 104.8% |
| その他 | 40,642 | 100.0% | 811 | 98.7% |
主力のスライスが1.5%減った一方、細い棒状のシューストリングは2.7%増えました。「その他」はほぼ前年と同じ水準。数量の規模差が大きいため、区分全体の減少はスライスの動きで説明できます。金額のほうは、スライスが2.8%増と堅調でした。
ファブリケートポテト(成型ポテト)の動き
- 2025年の出荷数量:37,704トン(前年比106.1%)
- 2025年の出荷金額:551億円(前年比108.3%)
- 2015年からの数量変化:+82.2%
5区分のなかで、10年間の伸び率が数量・金額とも最も高い区分です。20,692トンだった2015年から10年で約1.8倍に増え、金額は224億円から551億円へと2.5倍近くまで拡大しました。
じゃがいも系スナック(ポテトチップス+ファブリケートポテト)に占める割合も、13.6%から20.8%へ広がっています。
成型タイプが伸びている理由の考え方
ここから先は統計に書かれていない内容なので、推測として読んでください。形と厚さがそろう成型ポテトは、持ち運びやすさや割れにくさという性質を備えています。こうした扱いやすさが、間食のとり方が多様になった暮らしと噛み合っている可能性は考えられるでしょう。
一方で、統計は数字を示すだけで理由までは語りません。ここに挙げたのは、数ある見方のうちの一つにすぎないと捉えてください。
コーン系スナックの動き
- 2025年の出荷数量:45,958トン(前年比99.2%)
- 2025年の出荷金額:627億円(前年比107.0%)
- 2015年からの数量変化:+4.3%
数量は0.8%減ったにもかかわらず、金額は7.0%増えました。出荷量を増やさずに金額を伸ばした形といえるでしょう。
内訳を見ると、コーンパフが36,049トンでコーン系の8割弱を占めます。2015年の32,047トンからは12.5%増えました。逆に「その他」は12,010トンから9,909トンへと減っており、同じコーン系のなかでも方向が分かれています。
小麦系スナックの動き
- 2025年の出荷数量:36,147トン(前年比101.5%)
- 2025年の出荷金額:506億円(前年比104.8%)
- 2015年からの数量変化:−5.6%
10年単位で数量が減ったのは、小麦系スナックとその他スナックの2区分です。なかでも小麦系は−5.6%と、下げ幅が大きくなっています。
2017年の40,983トンから水準を切り下げ、2023年には35,310トンまで落ち込みました。そこから2年連続で持ち直しています。金額のほうは2015年の390億円から506億円へと29.7%増えており、数量が減りながら金額が増える点は全体の傾向とも重なります。
その他スナックの動き
- 2025年の出荷数量:7,434トン(前年比91.3%)
- 2025年の出荷金額:161億円(前年比159.4%)
- 2015年からの数量変化:−2.2%
数量が8.7%減ったのに対し、金額は59.4%も増えました。他の区分と比べて振れ幅が突出しています。
もっとも、この区分は全体の数量のうち2.7%を占めるにすぎません。規模が小さいぶん、扱う商品が入れ替わるだけで数値が大きく動きます。単年の変化だけで傾向を語るのは避けたほうが無難でしょう。
10年間でカテゴリー構成はどう変わったか
構成比の変化と数量の増減

| 区分 | 2015年の構成比 | 2025年の構成比 | 数量の増減率 |
|---|---|---|---|
| ポテトチップス | 54.3% | 53.1% | +9.6% |
| ファブリケートポテト(成型) | 8.6% | 13.9% | +82.2% |
| コーン系スナック | 18.2% | 17.0% | +4.3% |
| 小麦系スナック | 15.8% | 13.3% | −5.6% |
| その他スナック | 3.1% | 2.7% | −2.2% |
構成比を10年前と比べると、上がったのはファブリケートポテトだけでした。8.6%から13.9%へと5.3ポイントの上昇です。
じゃがいも系全体(ポテトチップス+ファブリケートポテト)で見れば、62.8%から67.0%へ広がっています。スナック菓子のなかでじゃがいもの存在感が増し、そのなかで成型タイプが場所を広げた——構成比の変化はそう読み取れます。
区分ごとの伸び方を指数で比べます

2015年を100として各区分の数量を並べると、伸び方の違いがひと目で分かるでしょう。ファブリケートポテトだけが大きく水準を切り上げて2025年に182へ達し、残る4区分は94〜110の範囲に収まりました。全体の数量が横ばいに近づくなかで、成型ポテトが伸びしろを引き受けている構図といえるでしょう。
内訳まで下りると、別の動きが見えてきます
資料では、ポテトチップス・ファブリケートポテト・コーン系スナックの3区分にさらに内訳が置かれています。ここまで下りると、区分の合計では見えなかった変化が出てきました。
ポテトチップスは「スライス以外」が場所を広げました

| 内訳 | 2015年 | 2025年 | 数量の増減率 | 2015年の構成比 | 2025年の構成比 |
|---|---|---|---|---|---|
| スライス | 93,272トン | 97,484トン | +4.5% | 71.1% | 67.8% |
| シューストリング | 4,642トン | 5,664トン | +22.0% | 3.5% | 3.9% |
| その他 | 33,326トン | 40,642トン | +22.0% | 25.4% | 28.3% |
| ポテトチップス 計 | 131,240トン | 143,790トン | +9.6% | 100.0% | 100.0% |
薄い円形の定番タイプであるスライスは、10年で4.5%の増加にとどまりました。区分全体が9.6%伸びているので、スライス以外のほうが速く増えたことになります。
構成比で見ると、スライスは71.1%から67.8%へ3.3ポイント下がりました。かわりに「その他」が25.4%から28.3%へ広がっています。
スライスは2018年をピークに戻っていません
| 内訳 | 最も多かった年 | 数量 | 最も少なかった年 | 数量 |
|---|---|---|---|---|
| スライス | 2018年 | 103,033トン | 2017年 | 89,367トン |
| シューストリング | 2022年 | 6,615トン | 2017年 | 3,575トン |
| その他 | 2021年 | 42,442トン | 2015年 | 33,326トン |
スライスの最多は2018年の103,033トンで、10万トンを超えたのはこの年だけ。2025年の97,484トンは、そこから5.4%低い水準にあります。
シューストリングは2022年に6,615トンまで跳ね上がったあと、5,500〜5,700トン台へ落ち着きました。振れ幅の大きい内訳といえるでしょう。
単価はどの内訳でも3割前後上がりました
| 内訳 | 2015年の単価 | 2025年の単価 | 上昇率 |
|---|---|---|---|
| スライス | 1,103円/kg | 1,439円/kg | +30.5% |
| シューストリング | 1,142円/kg | 1,554円/kg | +36.1% |
| その他 | 1,527円/kg | 1,995円/kg | +30.7% |
3つとも3割前後の上昇でそろいました。ただし水準そのものには差があり、「その他」は2015年の時点でスライスより約400円高く、2025年でも約550円高いまま。区分のなかでも価格帯が分かれていることが分かります。
成型ポテトは「その他」の伸びが上回りました
| 内訳 | 2015年 | 2025年 | 数量の増減率 | 2015年の構成比 | 2025年の構成比 |
|---|---|---|---|---|---|
| スライス | 15,567トン | 27,050トン | +73.8% | 75.2% | 71.7% |
| その他 | 5,125トン | 10,655トン | +107.9% | 24.8% | 28.3% |
| ファブリケートポテト 計 | 20,692トン | 37,704トン | +82.2% | 100.0% | 100.0% |
成型ポテトにも「スライス」という内訳がありますが、こちらは成型した生地を薄い形に仕上げたものを指すと読めます。生のじゃがいもを切るポテトチップスのスライスとは別物です。
10年で見ると、主力のスライスが73.8%増、「その他」は107.9%増。倍以上になったのは「その他」のほうでした。構成比も24.8%から28.3%へ広がっています。
2つの内訳で単価の動きが分かれました
| 内訳 | 2015年の単価 | 2025年の単価 | 上昇率 |
|---|---|---|---|
| スライス | 1,015円/kg | 1,471円/kg | +45.0% |
| その他 | 1,268円/kg | 1,436円/kg | +13.2% |
スライスの単価は45.0%上がった一方、その他は13.2%にとどまりました。2015年には253円あった差が、2025年には35円まで縮まっています。
コーン系はコーンパフへの集約が進みました
| 内訳 | 2015年 | 2025年 | 数量の増減率 | 2015年の構成比 | 2025年の構成比 |
|---|---|---|---|---|---|
| コーンパフ | 32,047トン | 36,049トン | +12.5% | 72.7% | 78.4% |
| その他 | 12,010トン | 9,909トン | −17.5% | 27.3% | 21.6% |
| コーン系スナック 計 | 44,057トン | 45,958トン | +4.3% | 100.0% | 100.0% |
コーン系は、区分全体では4.3%増と小さな伸びでした。ところが内訳を開くと、コーンパフが12.5%増、その他が17.5%減と逆を向いています。
構成比はコーンパフが72.7%から78.4%へ。区分のなかで、膨らませるタイプへの集約が進んだ格好です。
3区分そろって落ち込んだ年があります

ポテトチップスの3つの内訳を並べると、2017年に共通の落ち込みが現れます。スライスは89,367トンで11年の最少、シューストリングも3,575トンで最少。「その他」は最少ではないものの、35,130トンから33,366トンへ5.0%下げました。
この年について、資料に説明は添えられていません。ただし同じ日本スナック・シリアルフーズ協会が公表しているばれいしょのデータでは、2016年産の使用量が386,012トンと11年で最も少なくなっています。原料が翌年の出荷に使われることを踏まえると、時期は重なります。
とはいえスナック菓子の出荷統計とばれいしょのデータは互いを参照していませんから、因果として結びつけることはできません。時期が符合する事実として押さえておきましょう。
数量と金額の差が示す価格の動き
1kgあたりの出荷金額は10年で約3割上がりました

| 年 | 出荷数量(トン) | 出荷金額(億円) | 1kgあたりの金額(円) |
|---|---|---|---|
| 2015年 | 241,875 | 2,833 | 約1,171 |
| 2018年 | 251,811 | 2,886 | 約1,146 |
| 2021年 | 263,794 | 3,115 | 約1,181 |
| 2022年 | 260,496 | 3,227 | 約1,239 |
| 2023年 | 267,834 | 3,677 | 約1,373 |
| 2024年 | 270,729 | 3,950 | 約1,459 |
| 2025年 | 271,033 | 4,147 | 約1,530 |
※1kgあたりの金額は、公表されている出荷金額を出荷数量で割って本記事で算出した参考値です。日本スナック・シリアルフーズ協会が公表している数値ではなく、店頭価格とも一致しません。
2015年から2021年までは、1,140円台から1,180円台の範囲で推移していました。それが2022年に約1,239円へ上がり、2023年には約1,373円まで一気に伸びています。2025年は約1,530円で、2015年比では約3割の上昇です。
変化が大きかったのは2023年
金額の前年比が113.9%に達した2023年は、数量の伸びが2.8%にとどまっていました。数量の増加分だけでは説明しきれない金額の増え方です。単価の水準は2022年から動き始め、2023年に大きく切り上がったと読み取れます。
日本スナック・シリアルフーズ協会も価格転嫁の必要性に触れています
日本スナック・シリアルフーズ協会の会長あいさつでは、行き過ぎた低価格志向がメーカーを疲弊させてきたとしたうえで、製造にかかった諸経費を適正な形で商品に転嫁する必要があると述べられています。あわせて、ニーズを細分化した付加価値商品が業界を活性化させたという認識も示されました。
数量が横ばいでも金額が伸びる構図は、この2つの説明と重なります。
原料面から見えるもう一つの変化
国内産ばれいしょの品種構成が入れ替わっています

| 品種 | 2014年産 | 2019年産 | 2024年産 | 2025年産(見込) |
|---|---|---|---|---|
| トヨシロ | 254,664 | 234,087 | 133,305 | 113,418 |
| オホーツクチップ | 14,093 | 47,211 | 79,079 | 83,618 |
| きたひめ | 50,231 | 77,268 | 105,193 | 79,843 |
| スノーデン | 57,291 | 65,294 | 61,904 | 62,193 |
| ぽろしり | 61 | 24,331 | 60,408 | 58,675 |
| ハロームーン | 0 | 0 | 15,359 | 18,055 |
| 男爵 | 8,136 | 4,273 | 10,590 | 9,875 |
| 総計 | 409,421 | 475,868 | 478,019 | 436,002 |
※単位はトン。日本スナック・シリアルフーズ協会会員企業の合計値で、2025年産は見込値です。原本には15品種と「その他」の欄が並んでいますが、この表では使用量の多い7品種を抜き出しました。総計は原本の公表値であり、抜き出した7品種の合計とは一致しません。
日本スナック・シリアルフーズ協会が公表している別の資料からは、原料側の動きも見えてきます。国内産ばれいしょの使用量は、2014年産の409,421トンから2023年産の493,821トンまで積み上がりました。
主力品種が入れ替わりつつあります
変化が目立つのは品種の内訳です。長く主力だったトヨシロは、2014年産の254,664トンから2025年産(見込)の113,418トンへと半分以下になりました。構成比でみても62.2%から26.0%まで後退しています。
入れ替わるように伸びたのが、オホーツクチップ・きたひめ・ぽろしりの3品種。ハロームーンは2021年産の40トンを起点に、2022年産2,400トン、2023年産8,651トン、2024年産15,359トンと段階を追って増え、2025年産は18,055トンが見込まれています。
原料調達の姿がこの10年で大きく変わったことは、統計から確認できる事実。ただし、その理由まではこの資料に示されていません。
総量は2023年産をピークに2年続けて減っています
使用量の総計は2023年産の493,821トンが最も多く、2024年産は478,019トン、2025年産(見込)は436,002トンと下がりました。2023年産と比べると11.7%の減少になります。
この動きについて、日本スナック・シリアルフーズ協会の資料に説明は添えられていません。ただし全日本菓子協会は「令和7年 菓子の生産数量・生産金額等(推定)」のなかで、2024年および2025年産ばれいしょが不作であったと記しています。時期は重なりますが、2つの資料が互いを参照しているわけではないため、因果として結びつけることはできません。
データから読み取れることの整理
統計から事実として確認できること
- 2025年の出荷数量は271,033トンで前年比0.1%増、出荷金額は4,147億円で5.0%増
- 出荷金額は2017年から9年連続で増加し、4,000億円台に到達した
- 数量の伸び幅は2023年以降、年を追うごとに小さくなっている
- ファブリケートポテトは10年で数量が82.2%増え、構成比が5.3ポイント上がった
- 10年単位で数量が減ったのは、小麦系スナックとその他スナックの2区分
- 国内産ばれいしょの品種構成が10年で入れ替わっている
読むときに気をつけたい4つの点
この記事の数字は、そのまま「日本のスナック菓子市場」と読み替えられるものではありません。前提を4つ確認しておきましょう。
日本スナック・シリアルフーズ協会会員企業の合計であって、市場全体ではありません
集計されているのは日本スナック・シリアルフーズ協会に加盟するメーカーの実績です。会員以外の企業や輸入品は含まれないため、市場全体が同じ動きをしているとは限りません。
2014年以前の数値とはつながりません
資料には、会員の異動があったため2015年以降の数値は2014年以前と接続しないという注記があります。この記事が2015年以降の11年分に絞っているのは、そのためです。
1kgあたりの金額は本記事の試算値です
単価として示した約1,530円などの数値は、公表されている出荷金額を出荷数量で割って算出したものです。協会が公表している数値ではなく、店頭で目にする価格とも一致しません。
数字が動いた理由までは書かれていません
単価上昇の内訳(原材料費、物流費、内容量の変更、商品構成の変化など)も、成型ポテトが伸びた要因も、資料には記載がありません。消費者の好みが変わったのか、供給側の事情なのかは、この統計からは判断できないでしょう。
まとめ|スナック菓子の出荷データから見えたこと
2025年のスナック菓子出荷データから見えてきたのは、次の3点です。
- 数量は横ばいに近づき、成長の中心は金額へ移りつつある
- じゃがいも系のなかで、成型タイプが着実に場所を広げている
- 1kgあたりの金額は10年で約3割上がり、2022年から2023年にかけて水準が切り上がった
売り場で値段の変化を感じたとき、その裏側では出荷段階の1kgあたりの金額も上がっていました。次にお菓子コーナーへ立ち寄るとき、筒型の成型ポテトがどれだけ並んでいるかを眺めてみてはいかがでしょう。この10年の変化が、少し身近に感じられるかもしれません。