ハウス食品とは|フルーチェ・とんがりコーンと「ハウス」の由来

ハウス食品とは、大阪府東大阪市と東京に本社を置く総合食品メーカーです。バーモントカレーに代表される「カレーの会社」として知られますが、じつはお菓子・デザートの世界でも大きな足跡を残しています。牛乳と混ぜるだけの「フルーチェ」、スナックの「とんがりコーン」、おうちアイスの「シャービック」——家庭のおやつの記憶には、いつもハウスがいました。そして「ハウス」という社名には、創業者の妻の一言から生まれた愛らしい由来があります。このページでは、ハウス食品の歩みと、デザート・お菓子の系譜を掘り下げて紹介します。
ハウス食品の基本情報
| 会社名 | ハウス食品株式会社(HOUSE FOODS CORPORATION) |
|---|---|
| 創業 | 1913年(大阪の薬種化学原料店「浦上商店」) |
| 設立 | 2013年4月22日(ホールディングス体制への移行にともなう事業会社として) |
| 創業者 | 浦上靖介 |
| 本社所在地 | 東京本社(東京都千代田区紀尾井町6番3号)/大阪本社(大阪府東大阪市御厨栄町1丁目5番7号) |
| 資本金 | 20億円(2026年3月31日現在) |
| 従業員数 | 1,636名(2026年3月31日現在) |
| 事業内容 | 食品製造加工ならびに販売、その他 |
| お菓子・デザート | フルーチェ、とんがりコーン、シャービック ほか |
現在は持株会社「ハウス食品グループ本社」のもとで、事業会社ハウス食品が食品づくりを担う体制です。東京と大阪の二本社制で、大阪本社は本社社屋が建てられた東大阪の地に構え続けています。
参考:会社概要|ハウス食品
「ハウス」の由来|妻の一言が社名になった
ハウス食品の始まりは、1913年(大正2年)に浦上靖介が大阪で開いた薬種化学原料店「浦上商店」です。1926年、「ホームカレー」を作っていた会社から営業権を譲り受け、カレー事業に乗り出しました。転機は1928年。「日本には『ホーム』の概念はあらしまへん。『ハウス』だす」——妻のこの一言に、浦上は「これこそ日本人にぴったりだ」と膝を打ち、家のマークを掲げた「ハウスカレー」が誕生します。この商標がやがて社名となり、「家庭の食卓とともに」という会社の生き方まで決めました。
ハウス食品のあゆみ年表
| 年 | 出来事 |
|---|---|
| 1913年 | 浦上靖介が大阪で薬種化学原料店「浦上商店」を創業 |
| 1926年 | 「ホームカレー」の営業権を譲り受け、カレー事業へ |
| 1928年 | 妻の一言から「ハウスカレー」が誕生 |
| 1947年 | 株式会社浦上糧食工業所として法人化 |
| 1976年 | 「フルーチェ」を発売 |
| 1978年 | 「とんがりコーン」を発売 |
| 2013年 | ホールディングス体制へ移行し、事業会社ハウス食品を設立 |
薬の問屋がカレーの王者になり、デザートの定番まで生む——100年の年表は、業態を超えて「家庭の食」を追いかけた記録でもあります。
参考:会社の歩み|ハウス食品
フルーチェ|混ぜるだけの魔法(1976年)
1976年(昭和51年)に生まれた「フルーチェ」は、冷たい牛乳と混ぜるだけでとろりと固まる、家庭用デザートの発明品です。秘密は、果肉に含まれるペクチンと牛乳のカルシウムが反応して固まる仕組み。火も型も使わず、子どもが自分で作れるデザートとして、半世紀にわたり親子の台所を彩ってきました。「自分で作った」という体験ごとおいしいお菓子——薬種問屋由来の化学の知見が、家庭の魔法に変わった好例です。
とんがりコーン|指にはめたくなるスナック
円すい形のコーンスナック「とんがりコーン」も、ハウスの顔です。1978年(昭和53年)に発売されたもので、香ばしいコーンの風味とサクサクの食感で定番の座を獲得しました。そして誰もが一度はやったことがあるはず——指先に一つずつはめて食べる、あの遊び。おいしさと遊び心を兼ね備えた、家庭的なスナックの代表格です。
ハウス食品グループの業績と事業構成
連結業績(2026年3月期)
| 項目 | 2026年3月期 | 2025年3月期 |
|---|---|---|
| 売上高 | 3,169億円 | 3,154億円 |
| 営業利益 | 182億円 | 200億円 |
| 経常利益 | 195億円 | 213億円 |
| 当期利益 | 73億円 | 124億円 |
売上高はほぼ横ばい、利益は減少しました。原材料やエネルギーのコスト上昇に加え、海外事業の環境変化も影響しているとみられます。なお、この数字はカレーやスパイスを含むグループ全体のもので、フルーチェやとんがりコーンといったお菓子・デザートはその一部です。
グループの構成
グループにはカレーチェーンの壱番屋も加わっており、「家庭で作るカレー」と「外で食べるカレー」の両方を持つ体制です。デザートやスナックは、この幅広い食のポートフォリオの一角を担っています。
シャービックとおうちデザートの系譜
牛乳と混ぜて凍らせるだけでシャーベット風のアイスができる「シャービック」も、昭和の家庭の夏の思い出です。プリンやゼリーの素、ホットケーキミックスなど、「家庭で手作りするデザート」の分野を切り開いてきたのがハウスの真骨頂。カレーで培った粉の技術と、「ハウス=家」の理念が、キッチンのお菓子作りを支えてきました。
まとめ
ハウス食品は、薬種問屋から出発し、妻の一言で「ハウス」の名を得て、カレーとともに家庭のデザート文化を育ててきた会社です。フルーチェの化学の魔法、とんがりコーンの遊び心、シャービックの夏の記憶——「家庭の食卓の幸せ」というひとつの理念が、すべてのお菓子に流れています。
フルーチェの種類や歴史は、本文中の記事でさらに詳しく紹介しています。
