【わかりやすく解説】和菓子と洋菓子の材料のちがいとは?

和菓子は、米や小豆、寒天、くず粉など、日本の自然素材を活かした植物性の材料が中心です。砂糖も和三盆など上品な甘さを持つものが使われ、素材本来の風味を大切にしたやさしい味わいに仕上げられます。調理法も蒸す・煮るなどが多く、香料や着色料はほとんど使いません。

一方で洋菓子は、小麦粉、バター、卵、生クリーム、チョコレートといった動物性や乳製品を豊富に使用します。これにより、コクのある風味やふんわり・サクサクといった多様な食感を表現できます。砂糖もたっぷり使われることが多く、焼き菓子を中心にデコレーション性の高い仕上がりになる点が特徴です。

目次

和菓子に使われる主な材料

和菓子に使われる主な材料は、日本の自然の恵みを活かしたものが多いです。

例えば、米や大豆を原料にした粉やペースト、植物から抽出した色素や香りを活かした素材がよく使われます。また、甘味を引き出すために、砂糖の一種や蜜を使用することが多く、これらの材料は和菓子特有の優しい甘さを生み出します。さらに、寒天や葛粉などの凝固剤を使って、食感に工夫を凝らすこともあります。

和菓子では、できるだけ自然の味を生かすために、砂糖は控えめにし、蒸したり煮たりすることで素材の風味を引き出すことが特徴です。香料や着色料はあまり使わず、素材本来の味や色を楽しむことが重視されます。

よく使われる材料はこちらです。

材料特徴用途製法深掘り
小豆(あずき)赤紫色の小さな豆。食物繊維やポリフェノールを豊富に含む。あんこ(こしあん、つぶあん、うぐいすあん)を作る。おはぎ、大福、どら焼き、羊羹などに使用。小豆を水で煮て柔らかくし、砂糖を加えて練り上げる。皮を取るとこしあん、残すとつぶあんに。小豆の種類で風味や食感が異なる。大納言小豆は高級で粒が大きく、風味豊か。砂糖や煮詰め具合で甘さや風味が変わる。
米(こめ)やもち米(もちごめ)日本食文化の中心。もち米は粘り気が強く、搗くと餅に。上新粉:団子や柏餅。白玉粉:白玉団子や求肥。餅粉:求肥やかるかん。米を粉にし、粒度や製法で様々な粉が作られる。もち米は蒸して搗くと粘り気が出る。上新粉はコシがあり、白玉粉は滑らかで柔らかい食感。米の種類や精米度合いで風味や食感が異なる。
和三盆(わさんぼん)香川県や徳島県で作られる上品な甘さの砂糖。ミネラル分が豊富。干菓子や打ち物、落雁に使用。繊細な甘さが素材の味を引き立てる。サトウキビを原料に、何度も糖蜜を取り除いて精製。独特の風味と淡い黄色味、口溶けが特徴。製法や産地で風味が異なる。希少性から高価で、他の砂糖では出せない上品な甘さが特徴。
寒天(かんてん)紅藻類の海藻から採れる食物繊維が豊富な凝固剤。ゼラチンよりも強い凝固力があり、常温でも固まる。水ようかん、あんみつ、ゼリー、羊羹などの冷菓に使用。海藻を煮溶かして抽出した液体を冷やし固め、乾燥させる。棒寒天と粉寒天の2種類がある。煮溶かす温度や濃度で食感が変わり、低カロリーで健康的な食材としても注目されている。
くず粉(くずこ)や葛(くず)クズの根から採れるデンプン。とろみと滑らかな口当たりが特徴。くずもち、くずきりの原料。餡のとろみ付けや料理の葛あんにも使用。クズの根を砕いて水にさらし、デンプンを沈殿させて精製。手間がかかり高価。本葛粉は希少で、安価なものは甘藷デンプンで代用されることがある。葛湯は体を温める効果があるとされる。

洋菓子に使われる主な材料

洋菓子に使われる主な材料は、西洋の食文化に基づいたものが多く、バター、卵、小麦粉、砂糖、クリームなどが基本的な素材です。これらは豊かな風味や食感を生み出すため、重要な役割を果たします。

バターは洋菓子特有のリッチな味わいや食感を作り、卵は生地を膨らませたり、風味を加えたりします。また、小麦粉はケーキやクッキー、タルトなど、さまざまな焼き菓子の基盤を作り、砂糖は甘味だけでなく、食感や焼き色にも影響を与えます。さらに、生クリームやチョコレートなどのデコレーション材料やフィリングが、洋菓子に多様な味わいや見た目を加えることも特徴です。

洋菓子では、たっぷりの砂糖やバターを使ってコクを出し、オーブンで焼いたり冷やしたりして、食感や見た目の変化を楽しむことが重視されます。

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材料特徴用途製法深掘り
小麦粉(こむぎこ)パン、ケーキ、クッキーなど、多くの洋菓子の骨格となる粉。グルテンが含まれ、弾力と粘り気が出る。ケーキ、クッキー、タルト、パイ、マフィンなどに使われる。小麦を粉砕して作られ、グルテンの含有量により薄力粉、中力粉、強力粉に分けられる。小麦粉の種類によって食感や風味が異なる。薄力粉はふんわり、強力粉は弾力が強い。
バター牛乳の脂肪分を凝縮したもので、豊かな風味とコク、しっとりとした食感を与える。クッキーやケーキに風味とサクサク感を、生クリームやカスタードクリームにコクを加える。牛乳やクリームを撹拌して脂肪を固める。有塩バターと無塩バターがある。バターの種類や品質により風味が異なる。発酵バターは独特の風味を持つ。温度管理が重要。
生クリーム(なまクリーム)牛乳から分離された脂肪分が濃厚で、滑らかな口当たり。ケーキのデコレーション、サンド、ムース、プリンなどに使われる。牛乳を遠心分離機で脂肪分を濃縮。脂肪分の割合で種類が分かれる。泡立てると空気を含み、ふわふわとしたホイップクリームになる。砂糖や泡立て具合で調整可能。
卵(たまご)生地を膨らませたり、風味やコクを与えたり、滑らかな食感を出す。ケーキ、クッキー、プリン、カスタードクリームなどに用いられる。鶏卵を使用し、卵白と卵黄を分けて使用することも多い。卵の鮮度や温度によって泡立ちや仕上がりが変わる。卵黄のレシチンは乳化を助ける。
砂糖(さとう)甘味を与えるだけでなく、保水性や焼き色のつきやすさなど、食感や見た目にも影響を与える。グラニュー糖、粉砂糖、きび砂糖、ブラウンシュガーなど。サトウキビや甜菜を原料とし、精製度合いにより異なる種類が作られる。砂糖の種類で結晶の大きさや純度が異なる。粉砂糖は細かくアイシングに、グラニュー糖はサラサラしてメレンゲに使う。
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