日本のお菓子は海外でどれだけ売れているのか|2025年の輸出入データを読み解く

2025年の菓子の輸出額は505億円
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海外で日本のお菓子が人気だ、という話を耳にする機会が増えました。実際の数字はどうなっているのでしょうか。

全日本菓子協会が2026年4月に公表した「令和7年 菓子の生産数量・生産金額等(推定)」には、菓子の輸出入について品目ごとの通関実績が添えられています。2025年の輸出額は505億円で過去最高。ただし同じ資料には、輸入額が1,105億円とその2倍を超えることも書かれていました。

ここでは貿易データと訪日外国人の購入額から、日本の菓子と海外との関わりを8つの動向に整理します。

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目次

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全日本菓子協会が独自に集計した通関実績です

項目 内容
公表元 全日本菓子協会
資料名 令和7年 菓子の生産数量・生産金額等(推定)
公表日 2026年4月1日
収録期間 令和5年(2023年)〜令和7年(2025年)
輸出の品目数 11品目
輸入の品目数 15品目
数値の性格 令和5年・6年は確定値、令和7年は確々報値

輸出入のデータは、全日本菓子協会がタリフライン(輸出入統計品目番号)ベースで品目を選んで集計したものです。単価は数量と金額から算出されています。

農林水産省の数字とは一致しません

同じ「2025年の菓子類輸出額」でも、公表元によって金額が変わります。

公表元 2025年の菓子類輸出額 前年比
全日本菓子協会 505億円 6.0%増
農林水産省 433億円 5.9%増

差は70億円あまり。どちらかが誤っているわけではなく、集計に含める品目の選び方が違うためです。協会の資料自身がこの点に注意を促しています。この記事の数字はすべて協会の集計によるもの、と読んでください。


動向1:輸出額は505億円で過去最高になりました

指標 2023年 2024年 2025年 2025年の前年比
輸出数量 28,530,653kg 29,549,776kg 29,713,097kg 0.6%増
輸出金額 431億円 477億円 505億円 6.0%増
平均単価 1,510円/kg 1,614円/kg 1,701円/kg 5.4%増

2025年の菓子輸出額は505億円となり、過去最高を更新しました。円安傾向が追い風になったと全日本菓子協会は説明しています。

数量はほぼ横ばいで、金額だけが伸びました

数量に目を移すと、様子が変わります。2,971万kgで前年比0.6%増。ほとんど動いていません。

金額が6.0%伸びた一方で数量が横ばいという構図は、国内市場で起きていることとよく似ています。増えたのは出ていった量ではなく、1kgあたりの金額のほうでした。

平均単価は3年で12.6%上がりました

1kgあたりの単価は、2023年の1,510円から2025年の1,701円へ。3年で12.6%の上昇です。円安によって円換算の金額が膨らんだ面と、単価の高い品目の構成が増えた面の両方が考えられますが、資料に内訳の説明はありません。


動向2:品目別では伸びたものと減ったものが分かれました

菓子の輸出金額(2025年・品目別)
品目 輸出金額 金額の前年比 数量の前年比 平均単価
キャンディー 133.9億円 107.7% 108.3% 1,476円/kg
チョコレート菓子(詰物なし・2kg以下) 107.7億円 123.9% 108.7% 2,194円/kg
その他砂糖菓子 61.2億円 108.6% 109.7% 1,360円/kg
あられせんべいその他米菓 59.6億円 90.7% 86.9% 1,473円/kg
チョコレート菓子(詰物・2kg以下) 43.0億円 98.7% 83.0% 2,408円/kg
チョコレート菓子(その他・2kg以下) 38.7億円 127.5% 120.9% 1,733円/kg
ホワイトチョコレート 17.4億円 93.1% 78.4% 2,593円/kg
スイートビスケット 17.3億円 83.9% 87.4% 2,031円/kg
チューインガム 12.5億円 83.7% 71.4% 1,318円/kg
ワッフル及びウエハー 12.4億円 98.5% 100.3% 2,031円/kg
ラスク・トーストパン 1.9億円 67.1% 63.6% 2,022円/kg
合計 505.5億円 106.0% 100.6% 1,701円/kg

※金額は千円単位の通関実績を億円へ換算し、小数第2位を四捨五入しました。品目ごとの値を足しても、端数処理のぶん合計とは一致しません。

金額を押し上げたのはチョコレートとキャンディーです

金額が最も大きいのはキャンディー類の134億円。次いでチョコレート菓子(詰物なし・2kg以下)が108億円で、こちらは前年から23.9%伸びました。チョコレート菓子は3つの区分に分かれていますが、合計すると189億円になり、輸出額全体の37.5%を占めます。

全日本菓子協会の資料でも、金額の伸びが大きかった品目としてキャンディー類、一部のチョコレート菓子、その他砂糖菓子の3つが挙げられました。

2〜3割減った品目もあります

いっぽうで、数量を大きく落とした品目も並びます。

協会の資料は、チューインガムについて「数量・金額ともに大きかったアラブ首長国連邦、中国等での減少が影響し、全体として前年より減少した」と記しています。米菓についての説明は添えられていません。

数量が減っても金額は保たれた品目があります

チョコレート菓子(詰物・2kg以下)は、数量が17.0%減ったにもかかわらず、金額は1.3%減にとどまりました。単価が2,025円から2,408円へ18.9%上がったためです。ホワイトチョコレートも、数量21.6%減に対して金額は6.9%減。単価が18.7%上がって減少分を打ち消しています。

同じ「減った」でも、量が減ったのか金額が減ったのかで意味はまるで違ってくるでしょう。

3年分を並べると、動いた時期が見えてきます

品目別の輸出金額の3年推移
品目 2023年 2024年 2025年
キャンディー 116.0億円 124.3億円 133.9億円
チョコレート菓子(詰物なし) 76.7億円 87.0億円 107.7億円
あられせんべいその他米菓 61.0億円 65.7億円 59.6億円
その他砂糖菓子 51.4億円 56.3億円 61.2億円
チョコレート菓子(詰物) 39.1億円 43.6億円 43.0億円
チョコレート菓子(その他) 27.6億円 30.3億円 38.7億円
ホワイトチョコレート 16.1億円 18.7億円 17.4億円
スイートビスケット 14.1億円 20.6億円 17.3億円
チューインガム 13.5億円 14.9億円 12.5億円
ワッフル及びウエハー 12.5億円 12.5億円 12.4億円
ラスク・トーストパン 2.6億円 2.8億円 1.9億円

単年だけを見ていると、その品目がどんな流れのなかにあるのか分かりません。3年並べると景色が変わります。

3年続けて金額を伸ばしたのは、キャンディー類・チョコレート菓子(詰物なし)・チョコレート菓子(その他)・その他砂糖菓子の4品目だけでした。

対照的に、2024年まで増えていたのに2025年で反転した品目が6つあります。あられせんべい、ホワイトチョコレート、スイートビスケット、チューインガムラスク・トーストパンチョコレート菓子(詰物)。とくにスイートビスケットは2024年に20.6億円まで跳ね上がったあと、17.3億円へ戻りました。

2025年の輸出額が過去最高だったからといって、すべての品目が同じ方向を向いていたわけではない。この表はそれを示しています。


動向3:輸出先はアメリカと東アジアに集中しています

順位 輸出先 金額 シェア
1位 アメリカ合衆国 99.3億円 19.6%
2位 香港 84.3億円 16.7%
3位 中華人民共和国 73.5億円 14.5%
4位 台湾 68.0億円 13.5%
5位 大韓民国 45.2億円 8.9%

上位5つの国・地域で、輸出額全体の73.2%を占めます。アメリカを除けばすべて東アジアで、距離の近さがそのまま数字に表れた形です。

品目によって相手国の顔ぶれが変わります

品目によって輸出先の顔ぶれが変わります

全体の順位だけを見ていると、品目ごとの違いが見えなくなります。上位3カ国を品目別に並べてみましょう。

品目 1位 2位 3位
キャンディー 中国 23.0% アメリカ 19.9% 香港 13.7%
チョコレート菓子(詰物なし) アメリカ 20.3% 香港 19.3% 台湾 11.8%
チョコレート菓子(詰物) 香港 33.6% アメリカ 17.0% 台湾 8.9%
あられせんべいその他米菓 アメリカ 25.3% 台湾 23.8% 香港 14.7%
スイートビスケット 台湾 30.8% 中国 23.0% 香港 18.7%
ホワイトチョコレート 香港 23.1% アメリカ 16.0% 中国 10.1%
チューインガム サウジアラビア 22.6% 中国 17.5% 香港 11.8%

チューインガムだけは中東が最大の市場です

11品目のうち、チューインガムだけが上位に中東の国を置いています。サウジアラビアが22.6%で1位、4位にはロシアの9.5%が入りました。他の品目とはまったく違う地図が描かれています。

なお全日本菓子協会の資料は、チューインガムの輸出減の要因としてアラブ首長国連邦での減少を挙げていました。今回の上位5カ国にUAEの名前はありません。中東市場のなかで比重が動いた可能性はありますが、資料に説明がないため断定はできません。

米菓はアメリカと台湾で半分近くを占めます

あられせんべいの輸出は、アメリカ25.3%と台湾23.8%の2つで49.1%。香港を加えると63.8%に達します。醤油味のせんべいが、太平洋を挟んだ2つの市場で受け入れられている構図が読み取れるでしょう。


動向4:アメリカの関税措置の影響が数字に出ています

アメリカ向け輸出の伸びは2025年に鈍りました
対米輸出額の前年比
2023年(令和5年) 15.8%増
2024年(令和6年) 26.1%増
2025年(令和7年) 6.3%増

輸出先1位のアメリカについて、全日本菓子協会は伸び率の鈍化を指摘しました。2024年の26.1%増から2025年は6.3%増へ。前の2年が二桁の伸びだっただけに、変化の幅は小さくありません。

協会の資料には「米国の関税措置については(中略)その伸び率が鈍化しており、影響を受けていることが見てとれる」と記されています。増加そのものは続いているものの、勢いは落ちたという読み方になります。

2026年の見通しは「不透明感はあるが増加」です

協会は2026年について、米国の関税措置の不透明感はあるものの、菓子の輸出は引き続き増加が見込まれるとしました。関税の動きが今後どうなるかで数字は変わりますから、確定した予測ではない点は押さえておきたいところです。


動向5:輸入は1,105億円で、輸出の2倍を超えます

輸入は輸出を数量でも金額でも上回っています
指標 2023年 2024年 2025年 2025年の前年比
輸入数量 92,370,551kg 94,511,903kg 102,064,372kg 8.0%増
輸入金額 913億円 990億円 1,105億円 11.6%増
平均単価 989円/kg 1,048円/kg 1,083円/kg 3.3%増

輸入額は1,105億円で、こちらも過去最高を更新しました。輸出の505億円と比べると2.19倍です。

数量では3倍以上の開きがあります

金額よりも差が大きいのが数量です。輸入1億206万kgに対し、輸出は2,971万kg。3.43倍の開きがあります。

日本は菓子を輸出する国であると同時に、それを大きく上回る量を輸入する国でもある。輸出の伸びが話題になりやすいぶん、この構図は見落とされがちではないでしょうか。

輸入で金額が大きいのはチョコレートとビスケットです

品目 輸入金額 金額の前年比 平均単価
チョコレート菓子(詰物なし・2kg以下) 298.8億円 108.5% 2,077円/kg
ビスケットクッキー及びクラッカー砂糖入り) 188.4億円 102.3% 651円/kg
キャンディー 174.1億円 115.4% 853円/kg
チョコレート菓子(詰物・2kg以下) 156.8億円 137.2% 1,549円/kg
チョコレート菓子(その他・2kg以下) 79.7億円 99.6% 1,584円/kg
その他砂糖菓子 49.4億円 123.9% 953円/kg
ホワイトチョコレート 47.0億円 103.5% 2,117円/kg
ワッフル及びウエハー 34.1億円 123.7% 855円/kg
あられせんべいその他米菓砂糖入り) 33.1億円 113.1% 733円/kg
ビスケットクッキー及びクラッカー(その他) 24.7億円 91.3% 477円/kg
チューインガム(その他のもの) 8.4億円 141.2% 1,841円/kg
あられせんべいその他米菓(その他) 6.7億円 111.5% 478円/kg
チューインガム 2.5億円 78.3% 1,768円/kg
キャラメル 1.1億円 97.7% 1,149円/kg
スイートビスケット 0.3億円 125.1% 1,984円/kg
合計 1,105.3億円 111.6% 1,083円/kg

※金額は千円単位の通関実績を億円へ換算し、小数第2位を四捨五入しました。品目ごとの値を足しても、端数処理のぶん合計とは一致しません。

輸入は15品目に分かれており、同じ「チューインガム」でも2つの区分があります。1704.10として通関されるものが2.5億円、加工品として2106.90で通関されるものが8.4億円。後者のほうが3倍以上大きく、しかも前年比141.2%と伸びました。

金額の小さい品目にも動きがあります。スイートビスケットの輸入は0.3億円で、11品目ある輸出の最小品目(ラスク・トーストパン1.9億円)よりさらに小さい。単価は1,984円/kgと高く、数量にすると15.6トンにすぎません。

チョコレート菓子は3区分の合計で535億円。輸入額全体の48.4%にあたります。輸出でもチョコレートの比重が高かったことを思い出すと、同じカテゴリーが双方向に大きく動いているわけです。

輸入元はヨーロッパと中国に分かれます

順位 輸入元 金額 シェア
1位 中華人民共和国 207.3億円 18.8%
2位 イタリア 139.1億円 12.6%
3位 ベルギー 131.6億円 11.9%
4位 フランス 88.2億円 8.0%
5位 ドイツ 60.0億円 5.4%

輸出先が東アジア中心だったのに対し、輸入元は2位から5位までをヨーロッパが占めます。イタリアベルギーフランスドイツといったチョコレート焼き菓子の産地から入ってくる構図です。

品目ごとに相手国の集中度が大きく違います

品目別に見た輸入元の集中度
品目 1位 2位 3位
チューインガム(その他のもの) 大韓民国 94.4% デンマーク 5.0% アメリカ 0.4%
あられせんべいその他米菓砂糖入り) 中華人民共和国 86.8% タイ 12.3% 大韓民国 0.6%
スイートビスケット フランス 54.0% イタリア 31.8% ブラジル 9.8%
ワッフル及びウエハー ベルギー 47.1% タイ 8.3% イタリア 8.2%
チューインガム 大韓民国 46.1% メキシコ 28.2% 中華人民共和国 17.3%
キャンディー 中華人民共和国 38.6% ドイツ 14.8% ハンガリー 10.9%
チョコレート菓子(詰物なし) イタリア 32.7% ベルギー 18.1% フランス 11.0%
ホワイトチョコレート ベルギー 29.4% イタリア 19.3% フランス 14.4%
キャラメル フランス 28.1% 英国 20.0% ポーランド 15.1%
チョコレート菓子(詰物) ベルギー 14.3% 中華人民共和国 12.8% フランス 11.0%

1品目のほぼ全量を1カ国に頼っているケースが目立ちます。チューインガムの一部区分は韓国が94.4%、砂糖入りの米菓中国が86.8%。供給元が偏っているぶん、その国の事情が価格や供給に直結しやすい構造といえるでしょう。

全体の順位には出てこない国が並んでいます

品目まで下りると、輸入元全体の上位5カ国には入らない国が顔を出します。

  • キャンディー類の3位はハンガリー(10.9%)
  • ワッフル及びウエハーの5位はブルガリア(5.5%)
  • チューインガムの2位はメキシコ(28.2%)
  • キャラメルの2位は英国(20.0%)、3位はポーランド(15.1%)

ベルギーイタリアといった名前が想像しやすい一方で、ハンガリーのキャンディーやメキシコのガムは、輸入元の一覧を眺めていて初めて出てくる国ではないでしょうか。

同じ国でも、輸出と輸入で役割が違います

韓国は輸出先としては5位(8.9%)ですが、輸入側ではチューインガムの最大の供給元です。加工品として通関されるガムに限れば94.4%を占めます。

中国も同じで、輸出では3位(14.5%)の売り先でありながら、輸入では1位(18.8%)の仕入れ先。砂糖入りの米菓にいたっては86.8%を頼っています。

行き先と仕入れ先が同じ国であっても、やり取りしている品目はまったく別。国名だけを見て「どちらが多いか」と比べると、実態を取り違えることになります。


動向6:出ていく菓子と入ってくる菓子では単価が違います

同じ品目でも、出ていくときと入ってくるときで単価が違います
輸出の平均単価 輸入の平均単価 輸出が輸入の何倍か
2023年 1,510円/kg 989円/kg 1.53倍
2024年 1,614円/kg 1,048円/kg 1.54倍
2025年 1,701円/kg 1,083円/kg 1.57倍

日本から出ていく菓子の平均単価は、入ってくる菓子の1.5倍を超えます。この差は3年間ほぼ変わらず、むしろわずかに広がりました。

品目別に見ると差の理由が見えてきます

単価の高い品目と低い品目を並べると、輸出入それぞれの性格が浮かび上がります。

区分 品目 平均単価
輸出で高い ホワイトチョコレート 2,593円/kg
輸出で高い チョコレート菓子(詰物・2kg以下) 2,408円/kg
輸出で高い スイートビスケットワッフル 2,031円/kg
輸入で安い ビスケットクッキー及びクラッカー(その他) 477円/kg
輸入で安い あられせんべいその他米菓(その他) 478円/kg
輸入で安い ビスケットクッキー及びクラッカー砂糖入り) 651円/kg

輸出の上位には単価2,000円を超える品目が並ぶのに対し、輸入の量が多いビスケット類は500〜650円台。重量あたりで3〜4倍の開きがあります。

つまり日本は、重量あたりの単価が高い菓子を出し、単価の安い菓子を大量に入れている、と読み取れます。ただし単価の高低は品質の高低とは別の話です。個包装の有無や商品の形態によっても変わりますから、そのまま「日本の菓子のほうが高級」と結論づけることはできません。


動向7:カカオが関わる品目だけ、単価が大きく上がりました

品目別に見た平均単価の3年間の上昇率

全体の平均単価は3年で12.6%上がりました。ところが品目別に開くと、上がり方はまったく均一ではありません。

輸出で上昇率が高いのはチョコレート系です

品目 2023年の単価 2025年の単価 3年間の上昇率
チョコレート菓子(詰物) 1,728円/kg 2,408円/kg 39.4%
ホワイトチョコレート 2,021円/kg 2,593円/kg 28.3%
チューインガム 1,040円/kg 1,318円/kg 26.7%
チョコレート菓子(詰物なし) 1,830円/kg 2,194円/kg 19.9%
チョコレート菓子(その他) 1,445円/kg 1,733円/kg 19.9%
ラスク・トーストパン 1,742円/kg 2,022円/kg 16.1%
ワッフル及びウエハー 1,817円/kg 2,031円/kg 11.8%
スイートビスケット 1,833円/kg 2,031円/kg 10.8%
あられせんべいその他米菓 1,336円/kg 1,473円/kg 10.3%
キャンディー 1,437円/kg 1,476円/kg 2.7%
その他砂糖菓子 1,347円/kg 1,360円/kg 1.0%
全体 1,510円/kg 1,701円/kg 12.6%

上昇率が最も高いのはチョコレート菓子(詰物)の39.4%でした。ホワイトチョコレートと残り2つのチョコレート菓子を合わせると、カカオを原料に含む4品目はいずれも19.9%以上上がり、全体の12.6%を大きく超えています。

ただしカカオを含む品目だけが上位を占めたわけではありません。上から3番目にはチューインガムの26.7%が入っています。この品目については、あとで別の見方も添えます。

いっぽう、砂糖を主な原料とするキャンディー類は2.7%、その他砂糖菓子は1.0%。ほとんど動いていません。

輸入ではさらに差がはっきりします

品目 2023年の単価 2025年の単価 3年間の上昇率
ホワイトチョコレート 1,276円/kg 2,117円/kg 65.9%
キャラメル 724円/kg 1,149円/kg 58.7%
チョコレート菓子(詰物) 1,150円/kg 1,549円/kg 34.7%
チョコレート菓子(その他) 1,224円/kg 1,584円/kg 29.4%
チューインガム 1,398円/kg 1,768円/kg 26.5%
ワッフル及びウエハー 698円/kg 855円/kg 22.5%
チョコレート菓子(詰物なし) 1,851円/kg 2,077円/kg 12.2%
キャンディー 869円/kg 853円/kg 1.8%減
ビスケットクッキー及びクラッカー砂糖入り) 654円/kg 651円/kg 0.5%減
全体 989円/kg 1,083円/kg 9.5%

輸入のホワイトチョコレートは3年で65.9%上昇しました。輸出側の28.3%と比べても倍以上の上がり方です。

さらに目を引くのが、キャンディー類とビスケット類が下がっている点。輸入全体が9.5%上がったなかで、この2品目だけが3年前を下回りました。

ホワイトチョコレートにカカオマスは入っていません

ホワイトチョコレートは、カカオ豆から取れる油脂であるカカオバターを使い、カカオマス(茶色の部分)は使わない菓子です。それでも単価は輸出入とも大きく上がりました。

カカオ豆の価格上昇が、茶色いチョコレートだけでなく白いチョコレートにも及んでいる。原料の内訳まで踏まえると、この結果はそう読めます。

原材料だけが理由とは言い切れません

単価は、通関実績の金額を数量で割った値です。原材料費のほかにも、円安による円換算額の膨らみ、包装形態の変更、扱う商品の入れ替わりなど、複数の要因で動きます。

たとえばチューインガムの輸出単価は26.7%上がっていますが、同じ期間に数量は27.1%減りました。安い商材が抜けたことで平均が押し上げられた可能性もあり、資料からは判断できません。

それでも、カカオを含む品目が輸出でも輸入でもそろって上位に来た事実は残ります。全日本菓子協会が国内について記した「チョコレートの消費者物価が35.7%上昇、菓子類全体では8.9%」という構図と、方向が重なる結果になりました。


動向8:訪日外国人の菓子購入額は約4,700億円です

指標 2025年 補足
訪日外国人数 約4,268万人 過去最多
菓子の購入額 約4,700億円 過去最高(推計)

輸出505億円に対して、日本国内で外国人が買った菓子は約4,700億円。桁がひとつ違います。海外へ売るより、来てもらって買ってもらうほうがはるかに大きい、というのが現在の姿です。

この4,700億円は、観光庁の「訪日外客数」と「インバウンド消費動向調査」から全日本菓子協会が試算した数値です。通関実績のような確定した記録ではない点に注意してください。

恩恵はすべての菓子に及んだわけではありません

協会の資料をジャンル別に読むと、インバウンドの効果には偏りがあることが分かります。

ジャンル 資料の記述
生菓子 効果は主に土産用菓子や流通菓子が中心とみられ、洋菓子を扱う店舗や企業で顕著な効果は確認されなかった
生菓子 訪日外国人の和生菓子への関心は高いものの、購入に結びついていない状況
チョコレート インバウンドによる土産需要は貢献した
スナック菓子 秋以降のインバウンド需要の低下が、数量の頭打ちに影響しているとみられる

土産物として買われる日持ちする菓子と、店で買ってその日に食べる生菓子。同じ「インバウンド需要」という言葉でも、届いた先はまるで違いました。

街の洋菓子店・和菓子店の状況については、洋菓子店の倒産動向の記事であらためて取り上げています。


読むときに気をつけたい4つの点

貿易の数字は前提の違いが結果を大きく変えます。引用の前に確認しておきましょう。

公表元によって輸出額が70億円変わります

冒頭で触れたとおり、全日本菓子協会は505億円、農林水産省は433億円としています。協会が独自にタリフラインで品目を選定しているためで、比較する際は必ず公表元を添えてください。

2025年の数値は確々報値です

令和5年・令和6年が確定値であるのに対し、令和7年(2025年)は確々報値と明記されています。今後わずかに動く可能性があります。

単価は数量と金額から計算した値です

1kgあたりの単価は、通関実績の金額を数量で割ったものです。実際の取引価格そのものではありませんし、包装の重さを含む重量ベースである点にも注意が必要でしょう。

3年間の上昇率は、資料に載っている単価(1円未満を丸めた値)どうしを比べて算出しました。丸める前の数値から計算すると、品目によって0.1ポイントほど違う結果になります。

インバウンドの4,700億円は推計値です

訪日外国人の菓子購入額は、観光庁の2つの調査から協会が試算した数値です。通関実績とは性格が異なりますから、505億円と4,700億円を同じ精度の数字として並べることはできません。


まとめ|2025年の菓子貿易から見えたこと

読み取れる動向を、あらためて整理しました。

  • 輸出額は505億円で過去最高。ただし数量は0.6%増とほぼ横ばいで、伸びたのは単価のほう
  • 品目別ではチョコレート菓子3区分の合計が189億円で、輸出額の37.5%を占める
  • 3年続けて金額が伸びた品目は11品目中4つだけ。6品目は2024年をピークに2025年で反転した
  • 数量を2〜3割落とした品目もあり、ラスク・トーストパンは36.4%減
  • 輸出先は上位5つで73.2%。ただしチューインガムだけはサウジアラビアが1位
  • 対米輸出の伸びは26.1%増から6.3%増へ鈍化し、全日本菓子協会は関税措置の影響を指摘
  • 輸入は1,105億円で輸出の2.19倍、数量では3.43倍
  • 輸入は1品目を1カ国に頼る例が多く、ガムの一部は韓国が94.4%、砂糖入り米菓中国が86.8%
  • 平均単価の上昇はカカオを含む品目に集中。輸入のホワイトチョコレートは3年で65.9%上がった
  • 輸出の平均単価は輸入の1.57倍。単価の高い菓子を出し、安い菓子を大量に入れている
  • 訪日外国人の菓子購入額は約4,700億円で、輸出額の9倍を超える

海外で売れている、という話は事実です。ただ数字を並べてみると、出ていく量は増えておらず、入ってくる量のほうがはるかに多い。そして最も大きな海外需要は、日本国内の売り場で生まれていました。

輸出額の500億円という数字だけを見ていると、この構図は見えてきませんね。

2025年の菓子の輸出額は505億円

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この記事を書いた人

【あいさつ】
こんにちは、ゴンザレス美と申します。お菓子ライブラリの運営者です。
お菓子・食品関連業界の事業会社にて新規事業の立ち上げに携わる、お菓子業界の現役従事者です。Webコンテンツ制作・SEO対策・販促物制作・営業活動・食品展示会の出展準備と運営など、業界の事業活動を実務として日々経験しています。

【これまでの経歴】
大学卒業後、外食産業にて店舗運営に従事し、調理・接客・スタッフマネジメント・売上管理など、現場運営の基礎を積みました。その後Web業界へ転身し、SEOコンサルティング会社にてWebライティング・編集・進行管理に携わったのち、美容・健康分野のWebマーケティングを担当。検索意図の読み解きからコンテンツ設計・データ改善までを一貫して経験してきました。
現在はお菓子・食品関連業界に身を置き、新規事業の立ち上げに参画した他、Web制作・SEO記事執筆・販促カタログ制作・営業支援・食品展示会への出展準備と運営など、お菓子・食品業界の事業活動を多面的に経験しています。

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