スナック菓子とは|定義と種類、日本のスナック菓子70年史

スナック菓子とは、じゃがいもやトウモロコシ、小麦などを主な原料に、油で揚げたり膨らませたりして作る、軽い食感の菓子の総称です。ポテトチップス、かっぱえびせん、うまい棒、カール——日本人のおやつの記憶は、スナック菓子抜きには語れません。じつは日本のスナック菓子の歴史はまだ70年ほど。戦後の食糧難の中から生まれ、一人の創業者の「幼い日の思い出」や、屋台の一枚のポテトチップスへの感動が、この巨大なジャンルを育てました。このページでは、スナック菓子の定義・種類から、日本のスナック菓子史までを詳しく解説します。
| 意味 | でんぷん質の原料を、揚げる・膨らませるなどで軽く仕上げた菓子 |
|---|---|
| 主な原料 | じゃがいも、トウモロコシ、小麦 など |
| 主な種類 | ポテト系、コーン系、小麦系、その他(豆・魚介など) |
| 日本での始まり | 1950〜60年代(かっぱあられ・のり塩・かっぱえびせん) |
スナック菓子の定義
スナック菓子に法律上の厳密な定義はありませんが、一般に「じゃがいも・トウモロコシ・小麦などのでんぷん質を主原料に、油で揚げる(フライ)、または高温で膨らませる(パフ・エクストルージョン)などの加工をした、軽い食感の菓子」を指します。「スナック(snack)」は英語で軽食のこと。食事の代わりにもなる手軽さと、袋を開けたら止まらない気軽さが、このジャンルの本質です。米を原料とするせんべい・あられは、日本では伝統的な「米菓」として区別されるのが一般的です。
スナック菓子の主な種類
ポテト系|王者ポテトチップス
じゃがいもを薄切りにして揚げるポテトチップスと、じゃがいもを一度粉にしてから成形して作る成形ポテトチップス(チップスターなど)が二大勢力です。スナック菓子市場の中心であり、うすしお・のり塩・コンソメといった定番フレーバー争いも名物です。
コーン系|ふんわり膨らむパフの魔法
トウモロコシを高温高圧で膨らませて作るのがコーン系スナックです。ふんわり軽い「カール」、円筒形の「うまい棒」、チーズ味の「スコーン」など、口どけの軽さと味付けの自由さが持ち味。膨らませてから味の粉をまとわせる製法のため、コンポタージュ味からめんたい味まで、フレーバー展開が自在です。
小麦系・その他
小麦粉の生地を揚げた系統には、えびの風味を練り込んだ「かっぱえびせん」や、サクサクのフライ菓子があります。ほかにも、豆を使ったスナック(ビーノなど)、駄菓子の雄「ビッグカツ」のような魚介シート系まで、原料の幅は広がり続けています。
日本のスナック菓子史|戦後70年の物語
1955年|「かっぱあられ」から始まった
日本のスナック菓子の草分けは、1955年(昭和30年)にカルビーが発売した小麦粉のあられ「かっぱあられ」とされます。ユニークな名前は、当時人気だった清水崑の漫画『かっぱ天国』に由来。戦後の食糧事情の中で、米の代わりに小麦粉であられを作るという発想から生まれました。
1964年|かっぱえびせんと「思い出の味」
1964年(昭和39年)、かっぱあられシリーズの集大成として生まれたのが「かっぱえびせん」です。創業者・松尾孝には、幼いころ川で獲った小えびを、母親にまるごと天ぷらにしてもらった大好物の思い出がありました。「あの味を小麦あられに入れられないか」——その一念が、殻ごとのえびを練り込んだ国民的スナックを生んだのです。1969年にCMで流れた「やめられない、とまらない」のフレーズは流行語となり、かっぱえびせんの地位を不動のものにしました。
1960〜70年代|ポテトチップスとコーンスナックの時代へ
同じ1960年代には、湖池屋が日本人の口に合う「のり塩」ポテトチップスを生み、1967年にその量産化に成功。1968年には明治の「カール」が登場し、コーンスナックという新ジャンルを開きます。1970年代にはカルビーもポテトチップス市場に参入し、スナック菓子はお茶の間の定番へと成長しました。
1980年代〜|多様化の時代
1979年には駄菓子の王様「うまい棒」が、1984年には「辛いスナック」を切り開いたカラムーチョが登場。以後、健康志向の素材系スナック、プレミアムポテトチップス、ご当地フレーバーと、多様化はとどまるところを知りません。戦後の食糧難から生まれたジャンルは、いまや日本のお菓子文化の柱になっています。
スナック菓子と上手に付き合う
スナック菓子は油と塩の魅力ゆえに、つい食べ過ぎてしまうのが玉にきず。小袋タイプを選ぶ、お皿に出して量を決める、飲み物と一緒にゆっくり食べる、といった工夫で、罪悪感なく楽しめます。近年はノンフライ製法や減塩タイプも充実しており、選択肢は広がっています。
まとめ
スナック菓子は、でんぷんと油が生む軽い食感の菓子であり、日本では戦後の食糧難と創意工夫から花開いた、比較的新しいジャンルです。母の天ぷらの思い出から生まれたかっぱえびせん、日本人の口に合わせたのり塩、駄菓子屋のうまい棒——袋の中には、作り手たちの物語が詰まっています。




