食品ロスはどのくらい出ている?家庭と事業者の量と、減らすための取り組みを食育白書から読む

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まだ食べられるのに捨てられてしまう食べ物を「食品ロス」といいます。日本では、どのくらいの食品ロスが出ているのでしょうか。この記事では、農林水産省が2026年6月に公表した「令和7年度 食育白書」をもとに、食品ロスの量と、減らすための国や企業、家庭での取り組みを整理します。

この記事で分かること

  • 2023年度の食品ロスは約464万トンで、国民1人あたりに直すと年間約37kg
  • 家庭から出る食品ロスと、食品関連の事業者から出る食品ロスが、ほぼ半分ずつを占める
  • 食品ロスを減らすために何らかの行動をしている人は77.2%で、国の目標の80%以上まであと少し
目次

食品ロスの量

2023年度の食品ロスは約464万トンで、1人あたり年間約37kg

2023年度の食品ロスの量を示す横棒グラフ。家庭系が約233万トン、事業系が約231万トンで、合計は約464万トン。

食品ロスは、家庭から出るものと、食品メーカーや小売店、飲食店などの事業者から出るものが、ほぼ同じくらいの量でした。国民1人あたりに直すと、1年間に約37kgの食べ物が捨てられている計算になります。

※事業系は農林水産省、家庭系は環境省が推計した値です。いずれも推計値です。消費者庁の「令和8年版消費者白書」にも、同じ量(事業系約231万トン、家庭系約233万トン)が書かれています。

参考:令和7年度 食育白書(第2部第5章 生産者と消費者との交流の促進、環境と調和のとれた農林漁業の活性化等)|農林水産省
引用:令和8年版消費者白書(124ページ)|消費者庁

国は2030年度までに、家庭系を2000年度の半分に、事業系を60%減らす目標

区分削減の目標
家庭から出る食品ロス2030年度までに、2000年度と比べて半分にする
事業者から出る食品ロス2030年度までに、2000年度と比べて60%減らす

家庭系と事業系で、それぞれ別の計画にもとづく目標が定められています。食品ロスを減らすための法律(食品ロス削減推進法)は2019年10月に施行され、国の基本方針は2025年3月に見直されました。

※家庭系の目標は「第五次循環型社会形成推進基本計画」、事業系の目標は「食品循環資源の再生利用等の促進に関する基本方針」によるものです。

参考:令和7年度 食育白書(第2部第5章 生産者と消費者との交流の促進、環境と調和のとれた農林漁業の活性化等)|農林水産省

事業者の取り組み

賞味期限を「年月」などでまとめて表示するメーカーは365事業者に

取り組み2024年10月時点2025年10月時点
賞味期限の表示を大きくまとめる食品メーカー(年月表示・日まとめ表示)350事業者365事業者
納品期限をゆるめる食品小売事業者339事業者377事業者

国は10月30日を「全国一斉商慣習見直しの日」とし、こうした取り組みを呼びかけています。賞味期限を日付ではなく「年月」で示したり、数日分をまとめた日付で示したりすると、日付の違いによる管理の手間や売れ残りを減らすことにつながります。お菓子のように賞味期限が比較的長い食品でも、年月だけで表示された商品を見かけることがあるのではないでしょうか。

※2文目の効果の説明と、最後の一文は当サイトによるものです。

参考:令和7年度 食育白書(第2部第5章 生産者と消費者との交流の促進、環境と調和のとれた農林漁業の活性化等)|農林水産省

家庭でできること

食品ロスを減らすために行動している人は77.2%

指標作成時の値(2019年度)現状値(2025年度)目標値(2025年度)
食品ロス削減のために何らかの行動をしている国民の割合76.5%77.2%80%以上

食品ロスを減らすために何かしらの行動をしている人は、8割近くに上りました。食育白書は、この目標を「作成時より改善」と評価しています。ただ、目標の80%以上にはまだ届いていません。

※2019年度の値は消費者庁「消費者の意識に関する調査結果報告書」、2025年度の値は消費者庁「令和7年度第1回消費生活意識調査」によるものです。

参考:令和7年度 食育白書(第3部 食育推進施策の目標と現状に関する評価)|農林水産省

すぐ食べるなら「手前から買う」、外食は「30・10」で食べきる

取り組み内容
手前から買うすぐに食べる商品は、期限の長い商品を選ばず、陳列の手前から順に買う。環境省のキャラクター「すぐたべくん」で呼びかけている
30・10(さんまる いちまる)運動宴会では、乾杯後の30分とお開き前の10分は自分の席で料理を楽しむ
おいしい食べきり全国共同キャンペーン消費者庁・農林水産省・環境省などが、毎年12月から1月に外食や家庭での食べきりを呼びかける

買い物のしかたや食事の場面ごとに、すぐに取り入れられる工夫が呼びかけられています。お菓子を買うときも、すぐに食べるものなら手前の商品から選ぶことが、小さな一歩になりそうです。

※最後の一文は当サイトの読み方です。令和8年版消費者白書によると、消費者庁・農林水産省・環境省は、10月の「食品ロス削減月間」に全国のコンビニエンスストアで「てまえどり」を呼びかけました。30・10運動は、長野県松本市で始まった取り組みとされています。

参考:令和7年度 食育白書(第2部第5章 生産者と消費者との交流の促進、環境と調和のとれた農林漁業の活性化等)|農林水産省
参考:令和8年版消費者白書(124〜125ページ)|消費者庁

食べきれない食品は、フードバンクに寄附する方法もある

2026年3月時点で、農林水産省のウェブサイトに掲載されているフードバンク活動団体は318団体ありました。国の災害用の備蓄食品も、2021年4月の申し合わせにもとづき、原則としてフードバンクなどに提供されています。2025年11月には、フードバンクなど5団体に9品目、計8,030食が無償で提供されました。

※318団体は、農林水産省のウェブサイトへの掲載を希望した団体の数です。

参考:令和7年度 食育白書(第2部第5章 生産者と消費者との交流の促進、環境と調和のとれた農林漁業の活性化等)|農林水産省

データを読むときに気をつけたい3つの点

  1. 食品ロスの量は、推計値です。 事業系は事業者からの報告や調査をもとに、家庭系は環境省の方法で推計されたもので、実際に1つずつ数えた量ではありません。
  2. 家庭系と事業系は、推計した省も目標の基準も異なります。 どちらも2000年度と比べた目標ですが、減らす割合は家庭系が半分、事業系が60%と違います。
  3. 「行動している人」の割合は、意識調査の結果です。 どのくらい行動しているか、実際にどれだけ食品ロスが減ったかまでは分かりません。

まとめ

2023年度の食品ロスは約464万トンで、国民1人あたり年間約37kgでした。家庭と事業者からほぼ半分ずつ出ているため、両方での取り組みが欠かせません。

メーカーや小売店では、賞味期限のまとめ表示や納品期限の見直しが広がっています。家庭でも、手前から買う、外食で食べきるといった身近な工夫から始めてみてはいかがでしょうか。

この記事で使った資料

この記事の数値や制度の情報は、2026年10月9日時点で確認できた公表資料にもとづいています。

資料の一覧と、数字の数え方を見る
資料名令和7年度 食育白書
発信元農林水産省
公表日2026年6月16日
集計の対象食品ロスの量(2023年度推計)、削減目標、事業者・家庭での取り組み、食品ロス削減の行動をしている人の割合
集計の単位年度ごとの推計量(万トン)、事業者数、割合
資料名令和8年版消費者白書
発信元消費者庁
公表日2026年6月12日(閣議決定)
集計の対象食品ロスの削減の取り組みについての記述(124〜125ページ)
集計の単位年度ごとの推計量(万トン)

食品ロスとは、まだ食べられるのに捨てられてしまう食品のことです。事業系の量は、食品関連事業者からの定期報告や「食品循環資源の再生利用等実態調査結果(令和4年度)」などをもとに農林水産省が推計しています。

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この記事を書いた人

【あいさつ】
こんにちは、ゴンザレス美と申します。お菓子ライブラリの運営者です。
お菓子・食品関連業界の事業会社にて新規事業の立ち上げに携わる、お菓子業界の現役従事者です。Webコンテンツ制作・SEO対策・販促物制作・営業活動・食品展示会の出展準備と運営など、業界の事業活動を実務として日々経験しています。

【これまでの経歴】
大学卒業後、外食産業にて店舗運営に従事し、調理・接客・スタッフマネジメント・売上管理など、現場運営の基礎を積みました。その後Web業界へ転身し、SEOコンサルティング会社にてWebライティング・編集・進行管理に携わったのち、美容・健康分野のWebマーケティングを担当。検索意図の読み解きからコンテンツ設計・データ改善までを一貫して経験してきました。
現在はお菓子・食品関連業界に身を置き、新規事業の立ち上げに参画した他、Web制作・SEO記事執筆・販促カタログ制作・営業支援・食品展示会への出展準備と運営など、お菓子・食品業界の事業活動を多面的に経験しています。

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