日本の砂糖はどこから来る?|国産は4割弱、てん菜とさとうきびの今と輸入先

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お菓子や料理に欠かせない砂糖は、北海道のてん菜と、鹿児島県・沖縄県のさとうきびから作られています。ただし、国内で使う砂糖のすべてを国産でまかなえているわけではありません。この記事では、農林水産省の資料をもとに、国産の砂糖の割合や産地の今、輸入先、世界の砂糖づくりの中での日本の位置を整理します。

この記事で分かること

  • 砂糖の総需要量に占める国内産糖の割合は、2025砂糖年度に36%の見通しで、残りの多くは輸入した原料糖でまかなっている
  • 国内産糖の4分の3ほどは北海道のてん菜糖で、てん菜の作付面積は10年で約2割減り、2025年産は暑さなどで砂糖の量が前の年より約9%減る見込み
  • 原料糖の輸入は9割以上がオーストラリアから。世界の砂糖の生産はブラジルとインドの2か国で4割を占める
目次

国産の砂糖は、どれくらいある?

国産の砂糖でまかなえるのは、使う量の4割弱

1975年度から2025年度までの、砂糖の総需要量に占める国内産糖の割合を示す折れ線グラフ。1975年度は15%、2019年度から2021年度は44%、2023年度は32%、2025年度の見通しは36%。

1975砂糖年度に1割台だった国内産糖の割合は、少しずつ高まり、2019~2021砂糖年度には4割を超えました。その後は2023砂糖年度に大きく下がり、2025砂糖年度は2024砂糖年度をやや下回る見通しです。

※国内産糖の割合は、資料にある「国内産糖の生産(供給)量÷総需要量」の値です。カロリーや金額をもとにした食料自給率とは、数え方が違います。3月時点(第3回)の見通しは35%でした。

参考:令和7砂糖年度における砂糖及び異性化糖の需給見通し(第3回)|農林水産省
参考:令和7砂糖年度における砂糖及び異性化糖の需給見通し(第4回)|農林水産省

国産の砂糖の4分の3ほどは、北海道のてん菜から作られている

2015年度から2025年度までの国内産糖の原料別の量を示す積み上げ棒グラフ。北海道のてん菜糖が大部分を占め、2015年度は676千トン、2023年度は447千トン、2025年度の見通しは490千トン。残りは鹿児島県・沖縄県の甘しゃ糖。

国内産糖は、北海道のてん菜から作る「てん菜糖」と、鹿児島県・沖縄県のさとうきびから作る「甘しゃ糖」に分かれます。量はてん菜糖が大きく上回るため、てん菜の出来が国内産糖全体の量を左右しています。国内産糖の割合が大きく下がった2023砂糖年度も、てん菜糖が大きく減った年でした。

※「4分の3ほど」は、2024・2025砂糖年度のてん菜糖の量を国内産糖の生産(供給)量で割って、当サイトが計算した割合です。黒糖などの含蜜糖は、グラフには含まれていません。

参考:令和7砂糖年度における砂糖及び異性化糖の需給見通し(第3回)|農林水産省
参考:令和7砂糖年度における砂糖及び異性化糖の需給見通し(第4回)|農林水産省
参考:違いを知って料理をおいしく!砂糖の種類と製造方法|農林水産省

北海道のてん菜では、何が起きている?

てん菜の作付面積は、10年で約2割減った

2015年産から2026年産までの北海道のてん菜の作付面積を示す棒グラフ。2015年産は58,682ha、2025年産の見込みは47,965ha、2026年産の見込みは46,400ha程度。

2015年産から2021年産までは5万6,000~5万9,000ha台で推移していましたが、2022年産から減り始めました。2025年産は前の年より881ha(1.8%)減り、2026年産はさらに約1,500ha減る見込みです。面積が減っている理由は、この記事で使った資料には書かれていません。

※2025年産は見込み、2026年産は2026年9月時点の見込みです。

参考:令和7砂糖年度における砂糖及び異性化糖の需給見通し(第3回)|農林水産省
参考:砂糖・でん粉をめぐる状況について|農林水産省

2025年産は暑さで糖分が下がり、砂糖の量は前の年より約9%少ない見込み

項目2024年産2025年産(見込み)
1haあたりの収量71.34トン66.60トン
てん菜の生産量3,485千トン3,195千トン
歩留り15.50%15.37%
産糖量540千トン491千トン

農林水産省によると、2025年産は4月下旬の天候不良で育ち始めが遅れたうえ、夏の高温や一部での干ばつ、9月以降も続いた高い気温によって、根に含まれる糖分(根中糖分)が下がりました。1haあたりの収量も、平年より多かった前の年を下回っています。面積・収量・糖分のどれもが少しずつ減ったことが、産糖量の減少につながった形です。

歩留りは、てん菜の生産量に対する砂糖の量(産糖量)の割合です。産糖量は、製品ベースで数えた量を指します。

参考:令和7砂糖年度における砂糖及び異性化糖の需給見通し(第3回)|農林水産省

鹿児島県・沖縄県のさとうきびでは、何が起きている?

2025年産は雨の少ない時期があったものの、平年を上回る育ち

項目2025年産の値資料の時点
収穫面積23,307ha(前の年より1.1%増)2026年3月・6月
さとうきびの生産量138万トン(前の年より2%減)2026年9月
甘しゃ糖の産糖量155千トン(前の年より3.2%増)2026年6月

さとうきびは、鹿児島県の奄美群島など南西諸島と、沖縄県で栽培されています。2025年産は雨の少ない時期がありましたが、全体では平年を上回る育ちが見込まれました。農林水産省の9月の資料では、生産量は前の年をやや下回るものの、直近5年の平均を上回る高い水準とされています。

※収穫面積は、鹿児島県が9,635ha、沖縄県が13,672haです(2026年3月時点の見込み)。甘しゃ糖の産糖量は、3月の第3回では149千トン(前の年より0.9%減)の見込みでしたが、6月の第4回で引き上げられました。

参考:令和7砂糖年度における砂糖及び異性化糖の需給見通し(第3回)|農林水産省
参考:令和7砂糖年度における砂糖及び異性化糖の需給見通し(第4回)|農林水産省
参考:砂糖・でん粉をめぐる状況について|農林水産省
参考:違いを知って料理をおいしく!砂糖の種類と製造方法|農林水産省

輸入している砂糖は、どこから来る?

原料糖の輸入は、9割以上がオーストラリアから

2017年度から2024年度までの原料糖(粗糖など)の輸入量と輸入先を示す積み上げ棒グラフ。大部分がオーストラリアで、残りはタイ。合計は2017年度が1,122千トン、2024年度が1,137千トン。

国内産糖で足りない分は、主に精製する前の原料糖を輸入して補っています。2024砂糖年度はオーストラリアが92.4%を占め、残りはタイからでした。2017砂糖年度にはタイが2割を超えていましたが、その後はオーストラリアの割合が高まっています。

※オーストラリアからは、粗糖と「高糖度原料糖」を輸入しています(2018砂糖年度以降は高糖度原料糖のみ)。

参考:令和7砂糖年度における砂糖及び異性化糖の需給見通し(第3回)|農林水産省

砂糖にココアや粉乳を混ぜた加糖調製品の輸入は、3割近く減った

品目2015砂糖年度2023砂糖年度
ココア調製品90千トン68千トン
粉乳調製品155千トン98千トン
調製した豆64千トン38千トン
その他の調製品200千トン160千トン
合計509千トン365千トン

加糖調製品とは、砂糖とココアや乳製品、豆類などを混ぜた、菓子やパンなどの原料になる製品のことです。2024砂糖年度の輸入量は363千トンで、農林水産省は2025砂糖年度の消費量も前の年より減ると見通しています。理由として、輸入価格の下落傾向が落ち着き、依然として高い水準にあることが挙げられています。

※2023砂糖年度までと2024砂糖年度以降は、集計の対象となる品目の区分が変わっているため、表は2023砂糖年度までの値で比べています。「その他の調製品」の多くは、砂糖にソルビトール(ぶどう糖を原料とする糖アルコール)を混ぜたものです。合計にはコーヒー調製品(1千トン前後)を含みます。

参考:令和7砂糖年度における砂糖及び異性化糖の需給見通し(第3回)|農林水産省
参考:砂糖と加糖調製品をめぐる制度の仕組み|農畜産業振興機構

世界の砂糖づくりの中で、日本はどんな位置にいる?

生産はブラジルとインドが中心で、輸出の約半分はブラジル

順位生産量の多い国・地域輸出量の多い国・地域
1ブラジル(24.2%)ブラジル(48.9%)
2インド(16.1%)タイ(11.5%)
3EU(9.0%)インド(5.1%)
4中国(6.6%)オーストラリア(3.9%)
5タイ(5.9%)EU(2.7%)

農畜産業振興機構の予測では、2025砂糖年度の世界の砂糖の生産量は1億9,391万トンで、ブラジルとインドの2か国で4割を占めるほどです。日本が原料糖の多くを買っているオーストラリアは、輸出で4位です。日本の輸入量は約122万トンで、世界の輸入量の1.7%にあたります。

※2025砂糖年度(2025年10月~2026年9月)の予測で、粗糖に換算した値です。新しい数字が発表されるたびに修正されます。( )内は世界全体に占める割合です。

参考:令和7砂糖年度における砂糖及び異性化糖の需給見通し(第3回)|農林水産省

データを読むときに気をつけたい3つの点

  1. 国内産糖の割合は、食料自給率とは別の数字です。 砂糖の量をもとにした割合で、カロリーや金額をもとにした食料自給率とは数え方が違います。
  2. 表やグラフによって、砂糖の量の数え方が違います。 精製糖に換算した量、製品としての量、粗糖に換算した量などがあり、そのまま並べて比べることはできません。
  3. 2025年産・2025砂糖年度の数字は見込みや見通しです。 3月と6月の資料で値が変わったように、新しい資料が出るたびに見直されます。

まとめ

日本の砂糖のうち、国内産糖でまかなえるのは4割弱です。国内産糖の4分の3ほどを占める北海道のてん菜は、作付面積が10年で約2割減り、2025年産は暑さの影響も受けました。足りない分は、主にオーストラリアから輸入する原料糖で補っています。

てん菜の出来や海外の産地の天候は、国内の砂糖の量や値段にも関わってきます。お菓子に欠かせない砂糖が、どこで、どのように作られているのかを知っておくと、ニュースの見え方も変わってくるのではないでしょうか。

この記事で使った資料

この記事の数値や制度の情報は、2026年10月8日時点で確認できた公表資料にもとづいています。

資料の一覧と、数字の数え方を見る
資料名令和7砂糖年度における砂糖及び異性化糖の需給見通し(第3回)
発信元農林水産省
公表日2026年3月
集計の対象需給総括表、国内産糖の生産動向(てん菜は糖業者調べ、甘しゃ糖は県庁および糖業者調べ)、粗糖と加糖調製品の輸入量(財務省「日本貿易統計」)、砂糖の国別需給予測(農畜産業振興機構調べ)
集計の単位砂糖年度(10月~翌年9月)、年産。国別需給予測は粗糖換算
資料名令和7砂糖年度における砂糖及び異性化糖の需給見通し(第4回)
発信元農林水産省
公表日2026年6月
集計の対象2025砂糖年度の需給の見通し(第3回の見通しを更新したもの)
集計の単位砂糖年度
資料名砂糖・でん粉をめぐる状況について
発信元農林水産省
公表日2026年9月
使った内容てん菜の2026年産の作付面積の見込み、さとうきびの2025年産の生産量
資料名砂糖と加糖調製品をめぐる制度の仕組み
発信元農畜産業振興機構
公表日2026年7月(広報webマガジン「alic」)
使った内容加糖調製品の説明
資料名違いを知って料理をおいしく!砂糖の種類と製造方法
発信元農林水産省(広報誌「aff」2021年11月号)
使った内容てん菜とさとうきびの産地、含蜜糖の説明

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この記事を書いた人

【あいさつ】
こんにちは、ゴンザレス美と申します。お菓子ライブラリの運営者です。
お菓子・食品関連業界の事業会社にて新規事業の立ち上げに携わる、お菓子業界の現役従事者です。Webコンテンツ制作・SEO対策・販促物制作・営業活動・食品展示会の出展準備と運営など、業界の事業活動を実務として日々経験しています。

【これまでの経歴】
大学卒業後、外食産業にて店舗運営に従事し、調理・接客・スタッフマネジメント・売上管理など、現場運営の基礎を積みました。その後Web業界へ転身し、SEOコンサルティング会社にてWebライティング・編集・進行管理に携わったのち、美容・健康分野のWebマーケティングを担当。検索意図の読み解きからコンテンツ設計・データ改善までを一貫して経験してきました。
現在はお菓子・食品関連業界に身を置き、新規事業の立ち上げに参画した他、Web制作・SEO記事執筆・販促カタログ制作・営業支援・食品展示会への出展準備と運営など、お菓子・食品業界の事業活動を多面的に経験しています。

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