ドンパッチとパチパチパニックの違い|メーカー・発売年・今買えるかを比較

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口の中で「パチパチ」とはじける不思議なキャンディーは、多くの人にとって忘れられない体験でしょう。

このユニークな食感を世に送り出してきた代表的なお菓子に、今も語り継がれ愛され続ける「ドンパッチ」と、現在もその人気を不動のものとしている「パチパチパニック」があります。

両者は同じ「パチパチ感」を共有しているため混同されがちですが、実はその歴史、製造元、そして市場での立ち位置に違いがあります。

しかし、それぞれが独立した存在でありながらも、日本の「パチパチキャンディー」という特別なジャンルを築き上げてきた中で、見えない関連性や共通の系譜が存在するのも事実です。

この記事では、これら二つのキャンディーの違いと比較、そして深いつながりを掘り下げていきます。

目次

ドンパッチとパチパチパニックの違い【比較表】

比べる点ドンパッチパチパチパニック
販売元味の素ゼネラルフーヅ(現・味の素AGF)アトリオン製菓(旧・明治産業)
はじけるキャンディーとの関わり1979年に「ドンパッチ」を発売1979年に高圧キャンディの生産を開始
今の状況販売終了(2000年)販売中(公式サイトに5種類)
中身はじけるキャンディーはじけるキャンディーとラムネ(1袋5g)

2つのいちばん大きな違いは、作った会社です。ドンパッチは味の素ゼネラルフーヅ(現在の味の素AGF)が1979年に売り出したキャンディーで、パチパチパニックは長野県須坂市のアトリオン製菓が作っています。アトリオン製菓は、2023年まで「明治産業」という社名でした。

ドンパッチはすでに販売を終えているため、今お店や通販で買えるのはパチパチパニックのほうです。キャンディーに炭酸ガスを閉じ込めて、口の中ではじけさせる仕組みは共通しています。

ドンパッチそのものの歴史や、死亡事故の噂の真相は、次の記事で詳しく紹介しています。

参考:会社案内(CORPORATE PROFILE)|味の素AGF株式会社

参考:会社沿革|アトリオン製菓株式会社

口の中の「パチパチ」現象の正体

この不思議な現象の正体は、実は科学的な原理に基づいた安全な仕組みです。

キャンディーの中には高圧の炭酸ガスが封入されており、口の中で唾液によって飴が溶けて薄くなると、内部に封じ込められていたガスの圧力に耐えきれなくなり、小さな破裂を起こします。

この微細な破裂が、あの独特の刺激と音を生み出しているのです。例えるなら、風船が割れる時に音が出るのと同じような現象が、口の中で小さなスケールで起こっているということになります。

製造方法

この技術は決して簡単ではありません。

製造方法は非常に特殊で、まず砕いたキャンディーを圧力の高いガスの中で溶かし、固め直して作ります。 圧力をかけながら加熱するため、特殊な設備が必要となり、高い技術力と専門的な知識が求められます。

この技術的な難しさから、日本でこのようなキャンディーを製造しているのは限られた企業だけという状況になっています。

安全性

パッケージの裏面には「勢いよくはじけることがあります」といった注意書きがありますが、これは危険性を示すものではありません。

主に子ども向けの商品であるため、不意にはじけた際の注意を促すためのものであり、食べることによって健康上の問題が起こるわけではありません。

パチパチ伝説の始まり「ドンパッチ」

「パチパチキャンディー」の記憶を語る上で欠かせないのが、かつて子どもたちの間で爆発的な人気を誇った商品。味の素ゼネラルフーヅ(現:味の素AGF)から1979年に発売された「ドンパッチ」です。

1970年代後半に登場したドンパッチは、口に入れると勢いよくパチパチと音を立てながら弾けるそのユニークな食感で、当時の子どもたちの心を瞬く間につかみました。まるで口の中で魔法が起こっているかのような体験は、子どもたちにとっての新しいエンターテイメントであり、瞬く間に駄菓子屋の定番商品となりました。

しかし、時代の流れとともに惜しまれつつも、ドンパッチは残念ながらすでに製造・販売を終了しており、現在では購入することができません。

それでも、多くの人にとって、ドンパッチは単なる過去のお菓子ではなく、今もなお「懐かしのお菓子」として強く記憶の中に残り、語り継がれ、愛され続けています。

現代のパチパチ定番「パチパチパニック」

ドンパッチが市場から姿を消した後、口の中でパチパチ弾けるお菓子を求める消費者のニーズが根強く残りました。その空白を埋め、現在もその楽しさを提供し続けているのが、アトリオン製菓が製造・販売する「パチパチパニック」です。

現在のパチパチパニックは、公式サイトに載っているものだけでも、コーラ・グレープ・ソーダなど5種類があります。どれも、はじけるキャンディーにラムネを合わせた1袋5gのお菓子です。

スーパーや100円均一ショップなどで手軽に購入でき、子どもから大人まで幅広い層に支持されています。100円均一ショップでは「3つで100円(税別)」というお得な価格で販売されることが多くなっています。

参考:商品情報(はじけるキャンディ)|アトリオン製菓株式会社

前身商品の「シュワシュワパンチ」

パチパチパニックの「パチパチ」もまた、ドンパッチと同様に、飴の中に高圧の炭酸ガスを封入する独自の技術によって生み出されています。アトリオン製菓の前身である明治産業は、1979年にはすでにこの高圧キャンディーの生産を開始しており、これはドンパッチが発売された時期と重なります。

この技術を用いた商品は、1999年には「シュワシュワパンチ」という商品名で発売され、その後2007年に現在の「パチパチパニック」という名前に変更されました。つまり、パチパチ弾けるキャンディー自体は、このブランド名の下で20年以上の歴史を持つロングセラー商品として進化を続けているのです。

2つのパチパチキャンディーの関連性

ドンパッチとパチパチパニックは、法的な意味での関連性や直接的な事業継承、ブランドの継続性はありません。

製造元が異なり、それぞれ独立した商品として存在しています。

しかし、「口の中でパチパチ弾けるキャンディー」というユニークなジャンルにおいて、両者には間接的な関連性や、ある種の「系譜」を推察することができます。

共通の技術原理

ドンパッチもパチパチパニックも、高圧の炭酸ガスを飴の中に封入するという、共通の科学的原理に基づいています。この技術は高度であり、限られたメーカーしか扱えません。

アトリオン製菓(旧明治産業)が1979年から高圧キャンディー生産を開始したことは、ドンパッチが発売された時期と重なり、同時期に複数のメーカーが同様の技術開発を進めていた可能性、あるいは共通の技術的ルーツが存在した可能性を示唆しています。

手にした市場のニーズ

また、ドンパッチが市場から姿を消した後も、「口の中でパチパチ弾けるお菓子」を求める消費者のニーズは根強く残りました。そこに、後発である「シュワシュワパンチ」や「パチパチパニック」が登場し、その空白を見事に埋める形で人気を博しました。

多くの消費者にとって、パチパチパニックは、かつて夢中になったドンパッチの体験を呼び起こす存在であり、無意識のうちに「ドンパッチの代わり」あるいは「後継者」として認識されることがあります。実際にインターネット上のレビューなどでも、「昔食べたドンパッチのよう」といった感想が見られます。

「明治」とのつながり

「パチパチ弾ける」お菓子と明治の関係には、誤解されやすい点があります。

ドンパッチを売り出したのは、明治ではなく味の素ゼネラルフーヅ(現在の味の素AGF)です。明治と縁があるのはパチパチパニックの側で、作っているアトリオン製菓は2023年まで「明治産業」という社名でした。明治製菓が売っていたのは、綿菓子とはじけるキャンディーを合わせた「わたパチ」のほうです。

明治産業は1979年に高圧キャンディの生産を始めており、ドンパッチの発売と同じ年です。別々の会社が同じころに、はじけるキャンディーづくりに取り組んでいたことになります。

明治グループと関連企業の変遷

明治製菓(旧社名)
1916年に創業した菓子・医薬品の総合メーカーで、チョコレートやビスケット、わたパチなどの駄菓子も製造していました。2011年のグループ再編により、食品事業は株式会社明治に、医薬品事業はMeiji Seika ファルマ株式会社に分離され、それぞれ独立した事業体として再出発しました。

明治(株式会社明治)
明治グループの食品部門を担う中核企業です。2011年に明治乳業が明治製菓の食品事業を統合し、社名を「株式会社明治」に変更して誕生しました。現在はお菓子、乳製品、飲料、栄養食品など幅広い製品を手がけています。

明治産業(現・アトリオン製菓)
1945年に長野県須坂市で「新興産業」として創立し、1953年に明治産業へ社名を改めました。1949年から明治キャラメルを作り、1979年に高圧キャンディ、2017年にはヨーグレット・ハイレモン・コーラパンチの生産を始めています。

明治産業は2023年、株式の譲渡によって丸紅株式会社の子会社となり、社名をアトリオン製菓に改めました。

つまり、明治とつながりがあるのはパチパチパニックとわたパチで、ドンパッチは別の会社から生まれた商品です。

参考:会社沿革|アトリオン製菓株式会社

パチパチパニックの急成長

近年、パチパチパニックは驚異的な売上成長を遂げています。

2024年3月期の売上高は約7億円に達し、なんと10年前と比較して10倍もの成長を記録しました。また、2021年度は2015年度の4倍以上の売上を記録するなど、長年販売している商品としては異例の急成長を続けています。

開発部の担当者も少し不思議に思うほどで、その明確な理由は完全には解明されていない部分もありますが、いくつかの戦略的な要因が考えられます。

販路の開拓

特に重要だったのが、手軽に立ち寄れる100円均一ショップという販路の開拓でした。

例えば、最大手のダイソーは海外を含む店舗数が2024年2月時点で5325店に達し、過去20年で2000店以上も増加しています。このような店舗網の拡大は、消費者との接点を飛躍的に増やしました。

さらに、100円均一ショップでは「3つで100円」という割安な価格設定がなされており、これが消費者の購入頻度を高める要因となっています。少子化が進む中でも、販路の拡大が全体の売上を牽引しているのです。

ターゲット層の拡大

最近では、主要顧客である子どもだけでなく、大人にもファン層を広げようと、積極的なマーケティング活動を展開しています。2024年7月にはSNSでアレンジレシピを募集するキャンペーンを実施し、マシュマロやヨーグルトにかけるなど、新たな食べ方を提案しました。

また、ブランド認知度向上のため、2024年には日本記念日協会に申請し、8月8日を「パチパチパニックの日」に制定しました。この記念日制定と同時に、人気アイドルグループSKE48とのコラボレーションも実現。メンバーがパチパチパニックを楽しみながら早口言葉に挑戦する動画を公開するなど、話題性のある企画で従来の子ども向けの枠を超えた幅広い層へのアピールを図っています。

経営体制の変革

アトリオン製菓の経営面でも大きな変化がありました。もともと明治の子会社でしたが、2023年3月期に丸紅が株式を100%取得し、丸紅グループの子会社となりました。

丸紅グループにとってアトリオン製菓は唯一のお菓子メーカーであり、丸紅は社長を送り込み、営業力や開発力の強化を図っています。

新体制の下、山下奉丈社長は「自社商品を充実させるために、営業と開発が一堂に会する商品戦略会議を新たに設け、顧客の視点を取り入れやすい体制にした」と説明しています。実際にパチパチパニックのメロンソーダ味は、この新しい体制の中から生まれた商品です。

生産能力の増強

こうした需要の拡大を受け、アトリオン製菓は2024年春に生産設備を大幅に増強し、生産能力を2.5倍に増やしました。 これは、2024年3月期にかけて需要の伸びに生産が追いつかない状況が続いていたためで、「嬉しい悲鳴」が上がるほどの人気ぶりを物語っています。

将来の展望

今後の展望も非常に野心的です。パチパチパニックは今後3~5年で、2024年3月期に7億円だった売上高を20億円にする計画を立てています。現在は国内のみでの販売ですが、長期的には海外展開も視野に入れ、最終的には30億~40億円程度まで売上高を伸ばしたいと考えています。この海外展開において、丸紅が世界中に持つ広範なネットワークが大きな武器となるでしょう。

まとめ

ドンパッチとパチパチパニックは、異なるメーカーから生まれた別々の商品でありながら、「口の中でパチパチ弾ける」という共通のユニークな体験を私たちに提供してきました。ドンパッチは伝説として語り継がれ、パチパチパニックは現代の定番として進化を続けています。

直接の繋がりはなくとも、この二つのお菓子は、日本の「パチパチキャンディー」という特別なジャンルを築き上げ、多くの人々に驚きと楽しさを与え続けている点で、実は互いに影響し合う「親戚」のような存在と言えるのかもしれません。

あなたは、この「パチパチ」の魔法を、どちらのお菓子で体験しましたか?

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この記事を書いた人

【あいさつ】
こんにちは、ゴンザレス美と申します。お菓子ライブラリの運営者です。
お菓子・食品関連業界の事業会社にて新規事業の立ち上げに携わる、お菓子業界の現役従事者です。Webコンテンツ制作・SEO対策・販促物制作・営業活動・食品展示会の出展準備と運営など、業界の事業活動を実務として日々経験しています。

【これまでの経歴】
大学卒業後、外食産業にて店舗運営に従事し、調理・接客・スタッフマネジメント・売上管理など、現場運営の基礎を積みました。その後Web業界へ転身し、SEOコンサルティング会社にてWebライティング・編集・進行管理に携わったのち、美容・健康分野のWebマーケティングを担当。検索意図の読み解きからコンテンツ設計・データ改善までを一貫して経験してきました。
現在はお菓子・食品関連業界に身を置き、新規事業の立ち上げに参画した他、Web制作・SEO記事執筆・販促カタログ制作・営業支援・食品展示会への出展準備と運営など、お菓子・食品業界の事業活動を多面的に経験しています。

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