中国の乳製品市場はなぜ縮んでいる?ヨーグルトの落ち込みと売り場の変化

陶器の壺に入った飲むヨーグルトと朝の食卓
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世界有数の乳製品市場である中国で、売上の減少が続いています。この記事では、カナダ農業・農産食料省が2026年5月に公表した市場分析をもとに、中国の乳製品市場の動きを整理しました。

この記事で分かること

  • 中国の乳製品の小売市場は、2021年から2025年の4年で2割近く縮んだ
  • とくにヨーグルトの落ち込みが大きく、常温の飲むヨーグルトが減っている
  • 売り場はスーパーからネット通販やディスカウント店へ移りつつある
目次

中国の乳製品市場の規模

中国の乳製品の小売市場は、2021年から年4.5%ずつ縮んだ

中国の乳製品の小売販売額を2021年と2025年で比べた棒グラフ(単位:億ドル)。飲用乳344.9→326.5、ヨーグルト・発酵乳192.5→122.3、チーズ16.8→12.5、その他の乳製品3.8→3.2、バター・スプレッド2.6→2.5。

2021年から2025年にかけて、すべての分類で売上の伸びが落ち込みました。市場の7割近くを飲用乳が占めており、減り幅の大きかったヨーグルトの割合が下がっています。

※元データはEuromonitor(2026年)です。2025年の市場規模は、表の合計では約467億ドル、本文では479億ドルと書かれています。表の2030年の予測値(約479億ドル)と近い数字ですが、どちらが正しいかは資料からは判断できません。

参考:Sector Trend Analysis – Dairy products trends in China|カナダ農業・農産食料省

中国は世界第2位の乳製品市場で、輸入はニュージーランドなどが中心

中国は世界で2番目に大きな乳製品市場とされています。主な輸入先は、ニュージーランド、オーストラリア、EUの3つです。

※2025年の輸入額は、要約部分では102億カナダドル、本文では104億カナダドルと書かれています。

参考:Sector Trend Analysis – Dairy products trends in China|カナダ農業・農産食料省

分類ごとの売れ方

ヨーグルトは、常温の飲むヨーグルトを中心に売上が落ちている

ヨーグルト・発酵乳は2021年から年10.7%のペースで減り、分類の中で最も大きく落ち込みました。主な理由は、常温で保存できる飲むヨーグルトの売上が減ったことです。消費者が、砂糖や添加物が多い商品と受け止めるようになったことが背景にあるとされています。

参考:Sector Trend Analysis – Dairy products trends in China|カナダ農業・農産食料省

飲用乳では、新鮮な牛乳が支持を集めている

市場の中心である飲用乳では、健康面のイメージや手ごろさから、新鮮な牛乳が支持を集めるようになりました。チーズは市場としてはまだ小さいものの、消費者の関心の高まりや、チーズを中国の食生活に取り入れる工夫が今後の伸びを支えるとされています。

参考:Sector Trend Analysis – Dairy products trends in China|カナダ農業・農産食料省

中国の乳製品の売り手と売り場

中国では、伊利と蒙牛の2社が乳製品市場の中心にいる

内モンゴル伊利実業集団(Yili)と中国蒙牛乳業(Mengniu)の2社は、「その他の乳製品」を除くすべての分類で上位のブランドを持っています。一方で、新鮮さを求める消費者が増え、生乳の供給が余っていることもあって、新しく参入する企業との競争も激しくなりました。

参考:Sector Trend Analysis – Dairy products trends in China|カナダ農業・農産食料省

ディスカウント店とネット通販が、売上を伸ばしている

販売チャネル2021~2025年の年平均の伸び率
ディスカウント店93.8%増
ネット通販5.5%増
スーパーマーケット7.9%減
ハイパーマーケット(大型スーパー)11.6%減

乳製品は主にスーパー、ネット通販、小さな食料品店で売られていますが、スーパーや大型店の売上が減るなかで、ネット通販は伸び続けています。最も伸びているのはディスカウント店で、アルディなどの積極的な出店が後押ししているとされます。

※販売チャネル別の表の合計(2025年は約745億ドル)は、分類別の表の合計と一致しません。集計の範囲が異なると考えられるため、金額ではなく伸び率のみを掲載しています。

参考:Sector Trend Analysis – Dairy products trends in China|カナダ農業・農産食料省

中国の乳製品市場の見通し

2030年にかけては、わずかに持ち直すと予測されている

分類2025~2030年の年平均の伸び率(予測)
乳製品全体1.1%増
飲用乳2.6%増
チーズ2.3%増
バター・スプレッド2.8%増
その他の乳製品0.6%減
ヨーグルト・発酵乳3.9%減

飲用乳やチーズは持ち直すと予測される一方で、ヨーグルトは減少が続く見込みです。乳製品全体としては、ほぼ横ばいに近い小さな伸びにとどまります。

※予測表では全体が1.1%増ですが、本文には「2026~2030年の売上は、ヨーグルト・発酵乳やベビーフードの需要減少で減る見込み」とあり、まとめの部分には「持ち直す見込み」とあります。本文の説明には、ベビーフードなど表にない分類が含まれている可能性があります。

参考:Sector Trend Analysis – Dairy products trends in China|カナダ農業・農産食料省

データを読むときに気をつけたい3つの点

  1. 米ドルに換算した金額です。 為替の動きによって、現地の通貨で見た動きとは異なる場合があります。
  2. 2026年以降は予測値です。 調査会社Euromonitorによる推計で、確定した実績ではありません。
  3. 資料の中で、数字や説明が一致しない箇所があります。 市場規模や輸入額、今後の見通しについては、各セクションの注にそれぞれの記述を並べています。

まとめ

中国の乳製品市場は、飲むヨーグルトの落ち込みを中心に縮んできました。砂糖や添加物を気にする消費者が増え、新鮮な牛乳など、より健康的に感じられる商品へ関心が移っています。

売り場もスーパーからネット通販やディスカウント店へと移りつつあり、2030年にかけては小さな伸びにとどまる見通しです。

この記事で使った資料

この記事の数値は、2026年10月8日時点で確認できた公表資料にもとづいています。

資料の一覧と、数字の数え方を見る
資料名Sector Trend Analysis – Dairy products trends in China
発信元カナダ農業・農産食料省
公表日2026年5月27日
集計の対象中国の乳製品の小売販売額、販売チャネル、輸入額
集計の単位暦年、米ドル(輸入はカナダドル)。小売はEuromonitor、貿易はGlobal Trade Trackerのデータ

カナダ農業・農産食料省(Agriculture and Agri-Food Canada)は、カナダの農業と食品産業を担当する政府機関です。この分析は、中国の乳製品市場の動向を、カナダからの輸出の状況とあわせてまとめたものです。

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この記事を書いた人

【あいさつ】
こんにちは、ゴンザレス美と申します。お菓子ライブラリの運営者です。
お菓子・食品関連業界の事業会社にて新規事業の立ち上げに携わる、お菓子業界の現役従事者です。Webコンテンツ制作・SEO対策・販促物制作・営業活動・食品展示会の出展準備と運営など、業界の事業活動を実務として日々経験しています。

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大学卒業後、外食産業にて店舗運営に従事し、調理・接客・スタッフマネジメント・売上管理など、現場運営の基礎を積みました。その後Web業界へ転身し、SEOコンサルティング会社にてWebライティング・編集・進行管理に携わったのち、美容・健康分野のWebマーケティングを担当。検索意図の読み解きからコンテンツ設計・データ改善までを一貫して経験してきました。
現在はお菓子・食品関連業界に身を置き、新規事業の立ち上げに参画した他、Web制作・SEO記事執筆・販促カタログ制作・営業支援・食品展示会への出展準備と運営など、お菓子・食品業界の事業活動を多面的に経験しています。

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