砂糖の値段はなぜ上がった?|国際相場・卸売・店頭の価格で見るここ数年の動き
スーパーで砂糖の値札を見て、以前より高くなったと感じた方もいるのではないでしょうか。砂糖の値段は、海外の相場や為替、国内の制度など、いくつもの要素の影響を受けています。この記事では、農林水産省の資料をもとに、砂糖の値段がどう動いてきたのか、何が値上がりにつながったのか、2026年の最新の動きまでを整理します。
この記事で分かること
- 東京都区部の上白糖1kgの店頭価格は、2021年の平均198円から2025年の平均279円へ、約4割上がった
- 原料になる粗糖の国際相場は2023年11月に歴史的な高値をつけ、円に換算した価格は2019年の約2.7倍まで上がった
- 国際相場は2026年2月にかけて下がり、卸売価格も2025年11月に7年ぶりに下がったが、店頭価格は2026年5月も285円と高い水準のまま
砂糖の値段はどれくらい上がった?
店頭の上白糖は、4年で約4割値上がりした

2021年までは200円前後で落ち着いていた店頭価格は、2022年から上がり始め、2023年と2024年に大きく上昇しました。卸売価格も同じ時期に上がっています。2021年からの上がり方は、卸売価格が3割近くだったのに対し、店頭価格は約4割でした。
※店頭価格は総務省の小売価格(東京都区部、上白、1kg入り)、卸売価格は日本経済新聞の市中相場(東京、上白、大袋30kg入り、消費税抜き)で、それぞれの年の平均です。
参考:令和7砂糖年度における砂糖及び異性化糖の需給見通し(第3回)|農林水産省
値上がりの理由は何?
原料の国際相場が上がり、2023年11月に歴史的な高値をつけた

農林水産省によると、砂糖の国際相場は2020年4月以降、原油の値上がりにともなうエタノール価格の上昇や、主な産地の天候不順で供給が足りなくなる心配から、上がり続けました。2023年11月には1ポンドあたり32.74セントと、歴史的に高い価格を記録しています。日本は国内で使う砂糖の多くを輸入した原料糖でまかなっているため、国際相場の動きは国内の値段にも関わってきます。
※国際相場は粗糖現物価格の月平均をもとにした値で、2020年4月以降は大阪堂島商品取引所の調査です。
参考:令和7砂糖年度における砂糖及び異性化糖の需給見通し(第3回)|農林水産省
円に換算した価格は、ドルで見た相場より大きく上がった
2019年から2023年にかけて、ドルで見た相場は約2.1倍になりましたが、円に換算した価格は約2.7倍に上がりました。2024年は、ドルで見た相場が前の年より下がった一方、円に換算した価格は横ばいでした。この時期に円安が進んだことが、円で見た価格を押し上げたと考えられます。
※倍率は、資料の年平均の値から当サイトで計算しました。円に換算した価格は、日ごとに円に換算した値の月平均をもとにしています。
参考:令和7砂糖年度における砂糖及び異性化糖の需給見通し(第3回)|農林水産省
国内の値段には、国産の砂糖を支えるしくみも関わっている
| しくみの流れ | 内容 |
|---|---|
| 調整金を集める | 輸入する粗糖や加糖調製品から集める |
| 交付金を出す | 集めた調整金を財源に、国内のてん菜・さとうきびの生産者や製糖事業者へ出す |
| 目的 | 産地の経済や雇用を支え、砂糖を安定して届ける |
北海道のてん菜や、鹿児島県・沖縄県のさとうきびから作る国産の砂糖は、生産にかかる費用が高く、海外産との間に大きな価格差があるのが現状です。そこで、輸入する側から集めたお金で国産の砂糖を支える「砂糖の価格調整制度」が設けられています。調整金の単価などの指標は毎年決め直され、2026年10月からの1年分は2026年9月に公表されました。
参考:砂糖と加糖調製品をめぐる制度の仕組み|農畜産業振興機構
参考:令和8砂糖年度・令和8でん粉年度における価格調整制度の各種指標の決定について|農林水産省
これから砂糖の値段は下がる?
国際相場と卸売価格は下がったが、店頭価格は280円前後のまま
| 月 | 国際相場(セント/ポンド) | 卸売価格(円/kg) | 店頭価格(円/kg) |
|---|---|---|---|
| 2025年10月 | 19.88 | 250 | 281 |
| 2025年11月 | 18.87 | 248 | 278 |
| 2025年12月 | 19.18 | 242 | 273 |
| 2026年1月 | 18.93 | 242 | 279 |
| 2026年2月 | 18.02 | 242 | 278 |
| 2026年3月 | 19.08 | 242 | 286 |
| 2026年4月 | 18.42 | 242 | 279 |
| 2026年5月 | 19.08 | 242 | 285 |
農林水産省によると、国際相場は、インドや中国などで生産量が増える見込みとなり、世界的に需給がゆるむとの見方から、2026年2月にかけて下がりました。卸売価格も2025年11月に7年ぶりに下落し、その後は242円で推移しています。ただ、店頭価格は2026年に入っても280円前後で、はっきりとした値下がりにはつながっていません。
※いずれも月ごとの平均です。卸売価格の動きが店頭価格に表れるまでの期間は、資料には書かれていません。
参考:令和7砂糖年度における砂糖及び異性化糖の需給見通し(第3回)|農林水産省
参考:令和7砂糖年度における砂糖及び異性化糖の需給見通し(第4回)|農林水産省
2026年の夏には、国際相場がふたたび上がり始めた
農林水産省が2026年9月にまとめた資料では、円に換算した粗糖の国際価格は、2023年11月の109円/kgをピークにいったん62円/kgまで下がったあと、再び上がりました。主な産地で高温や乾燥により生産が伸びないことへの心配が理由とされ、2026年7月は68円/kgです。今後の砂糖の値段は、産地の天候や為替の動きに左右されると考えられます。
参考:砂糖・でん粉をめぐる状況について|農林水産省
データを読むときに気をつけたい3つの点
- 店頭価格は、東京都区部の上白糖1kgの値段です。 全国の平均や、グラニュー糖などほかの種類の砂糖の値段ではありません。
- 卸売価格と店頭価格は、条件が違う値段です。 卸売価格は大袋30kg入りの消費税抜きの価格のため、店頭価格との差をそのまま「流通やお店の取り分」と読むことはできません。
- 国際相場は、為替や産地の天候で大きく動きます。 この記事で紹介した2026年の値も途中経過で、この先の値段を言い切ることはできません。

